转自:kinakomochi.x.fc2.com 作者正在构思一部长篇拷问大作 希望大家能去网站支持一下
見習い拷問官、一ノ瀬早苗:
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拷問
暴力的、非人道的などと非難を受け、何度も歴史上廃止されてきた手段。
しかし凶悪犯罪が増えた今日、「拷問」を合法的な権利として行使することが必要となっていた。
科学が進歩した時代、犯罪は巧妙化する。
前科や身辺の環境から言って、その人物が犯罪を行ったのは間違いない。
だが物証がない。
進歩したのは善の科学だけではなかったからだ。犯罪者は工夫を凝らし、物証が出ないように細
工する。犯罪者の科学力が警察の科学力を上回った瞬間、物的証拠による立証は不可能になる。
なんとか本人に吐かせるしかない。
そうなれば、「拷問」が社会に必要とされるのは最早必然とも言えた。
そして「拷問による自白」が合法的に採用されるための法改正が進められ、それからはや3年。
数多くの犯罪者が拷問に処され、ついには自白して有罪となる者も多くなってきた。
だが逆に、いかに痛烈な拷問を加えようとも自白しない者もいる。
効率的に、そして確実に犯罪者を自白に追い込むための方法に、拷問官達は日夜苦悩していた。
検察庁最高拷問所。
この国での「拷問」のエキスパートが集まる公的機関。
どの地方拷問所でも己の悪事を語ろうとしない犯罪者(容疑者)が今日も連れてこられる。
その建物の地下にある第54拷問室の前で、二人の女性が話をしていた。
一人は腕利きの拷問官育成士。眼鏡をかけた、20代半ばほどの女性。
そしてもう一人は表情にあどけなさが残る、もじもじとした少女であった。
「レイコさん……、本当にやるんですよね……?」
眉をハの字に曲げ、少女は心配そうに眼鏡の女性を見上げる。
「そうよ。大丈夫。何回も練習してきたじゃない。私も隣でちゃんと見ていてあげるから。心配す
ることないわ」
「でも……」
「後ろめたく思うことは何もないの。相手は犯罪者。許されざる、社会の悪よ。それを撲滅する私
たちの仕事は善でしかないわ。そうでしょう?」
「……はい…」
「なら、あなたも頑張りなさい。緊張するかもしれないけど、これはあなたにしか出来ないことな
のよ。自信を持ちなさい。あなただけの才能が、社会の悪をひとつ消すの」
「……わかりました。がんばってみます」
弱々しくも、しかし確かに決心の言葉を口にする少女。
その表情を見て、レイコと呼ばれた女性は優しく微笑んだ。
「大丈夫。私もあなたのことを信じてるわ。行ってらっしゃい、早苗」
二人は別々の扉を開ける。
レイコは「第54拷問室 - 観察室」と書かれた扉を。
そして早苗は「第54拷問室」と書かれた扉を。