明日は試合だ。
用意されたホテルの中、翌日に控えた格闘技の試合の為、早々にベットに入る。
「…………」
目を閉じながら、つい試合のことを考えてしまう。
対戦相手はなかなかの強敵だ、だが自分も負けてはいない、いや負ける気がしない。
さっさと殴り倒して帰ろう。
試合に備えて節制した分、勝利の後にやりたい事は沢山ある。
…………布団にくるまっているのに、何故か体が冷える。
部屋の窓でも開いているのだろうか、でも自分で開けた記憶はない。
まさか風邪でも引いた?
まずい、それだけは困る。
「はぁーい、こんばんは♪」
目を開けたら、ベットの横に一人の女が立っていた。
「んー、まだちょっと寝ぼけてるのかな、こんな美女が来てあげたのに反応が鈍いわね」
訳のわからないまま呆気にとられていると、女がこちらに歩いてきた。
「はい、目覚めのキス♪ ……んっ……んふん♪」
何もわからないまま、見知らぬ女がこちらに口づけをしてくる。
嫌な予感がする、体が危険信号を発している。
とっさに、俺は目の前の女を突き飛ばした。
「いやん♪ うふふ……さすがに警戒心はあるみたいね、そうでないとこっちもつまらないわ」
「誰だ、いや、そんな事じゃなくて……何から聞けばいいんだ」
ベットから起き上がり、突然現れた女に近づく。
しかしとっさとはいえ、女性を突き飛ばしたのはまずかった。
「……なんでこの部屋に入ってこれたんだ、鍵はかかっているはずなのに」
そこまで言った所で、目の前の女の姿がおかしいことに気づく。
「さーて、それはなんででしょうか♪」
先程は暗くて気付かなかったが、女が窓際に移動したことにより、その姿がうっすらとわかってきた。
「やん、そんなじっくり見つめられたら恥ずかしいわ」
わざとらしく体を隠すポーズをする女性、よく見るとその頭には角、背中には羽が生えている。
コスプレ……だろうか、小さい頃遊んだゲームにこんなキャラクターがいた気がする。
「とりあえず、そこのドアから帰ってもらおうか」
どっちにしろこれ以上関わりたくない、いろいろ気になるが今はお帰り願おう。
「えー、そんな事言わないでよ」
不満そうな顔をしながら、女性が立ち上がる。
「私、あなたと戦いに来たのよ。せっかくこっちの世界に来たんだから、強くて美味しそうな魂を探してたの」
…………
もう一度、今度は無言でドアの方を指差しする。
明日の試合でコンパニオンでもする女性だろうか、変なのに絡まれてしまった。
「あーら何その顔、信じてないわね。これでも結構腕には自信があるのよ」
軽く両手を上げ、いかにも攻撃する雰囲気で女性が近づいてくる。
これはどうしたらいいものか。
「……しょうがないな」
軽く二、三回攻撃を受け止めて満足させよう、そうしたらそのまま廊下に放り投げよう。
それが一番無難だ。
「じゃあ見せてもらおうか、コンパニオンさん」
手を上げ、ここに打ってこいと目で合図をする。
「そーらっ♪」
こちらの目論見どおり、女性はか細い腕を伸ばしパンチを打ってきた。
「うあっ!!!」
が、狙った先は自分の手ではなく、無防備にさらされた腹部だった。
「お前……何やってるんだ」
自信があるというだけあって、なかなかのパンチだった、
不意をつかれたのもあって、正直少し効いている。
「何ってパンチよ、相手の守りがわかってるのにそこを殴るおバカさんはいないでしょ」
うずくまっている所に、女性が再び近づいてくる。
「ほらほら、反撃しなさい」
問答無用で、容赦なく何回も、女がブーツ越しに背中を踏みつけてくる。
ハイヒールが背中に刺さり痛い、こちらが手を出せないのをいいことに何をやってるんだ。
「でないと私もつまらないわ……ほらほら反撃してちょうだい」
「いい加減にしろっ!」
さすがに頭に来た、強引に立ち上がり、目の前の女性と間合いを取る。
「よしわかった、戦ってやる。でもその前にお前の名前を教えろ、後で会社に文句言ってやる」
突然部屋に入ってきたコスプレコンパニオン、しかも試合を控えた選手に暴行ときてる。
さすがに堪忍袋の緒が切れた、これでも気は短いほうだ。
「そうね、そういえば名乗ってなかったわ」
自らの指を口にあて、小さくキスをするコンパニオン。
「私の名前はセレン、サキュバスよ。さ、楽しい勝負をしましょ♪」
「…………」
もういい、さっさとこいつを部屋の外に放り出そう。
「やん♪ さすがに凄いプレッシャーね」
ガードを固め、腕の隙間からこちらを覗きこんでくる自称サキュバス。
「そりゃそうだ、早くお前を放り出したいからな」
まともに戦う必要なんてない、というか女性相手に暴力をふるう訳にはいかない。
ガードの上から無理やり捕まえよう。
「ああん♪ なぁに、私に抱きつきたいの?」
サキュバスが、こちらの伸ばした手をするりと避け、横に回りこんでくる。
「でもそんな遅い動きじゃ捕まらないわよ、そらっ!」
そのまま、再び無防備になった脇腹に拳が突き刺さる。
「ぐぅっ!」
さすがに少し痛い、がそんなの気にしていられない。
「あははっ、私を捕まえようと必死ねぇ、いいわよ、追いかけっこしましょう」
……
…………
………………
「どうしたの? もう追いかけっこは終わり」
……あれから10分ぐらい過ぎただろうか。
息を切らしたこちらの前で、女性がフワフワと浮きながらこちらを見下ろしている。
「はぁ……はぁ」
なんでこの女はここまで体力があるんだ、宙に浮いているからあまり疲れないのか。
いや、そもそもなんで宙に浮いているんだ。
「ほらほら、このままでいいのぉ」
「うっ……くそっ!」
女性の蹴りが、こちらの太ももに音を立てて突き刺さる。
「ペチペチ私に殴られて、全身あざだらけじゃなぁい♪」
さすがに、これだけ一方的に殴られるとダメージも馬鹿にできなくなってきた。
「わかってるのよ私。あなた……わざと手を出してないでしょ」
こちらの心を見透かしたように、鋭い目つきでサキュバスが睨みつける。
「バカにしないでよね、私だって少しは覚悟を決めて来てるのよ」
「ぐっ!」
無防備にツカツカと近づいて来たサキュバス、そのハイヒールが足の甲に刺さる。
「このままだと、あなた死ぬわよ」
サキュバスの冷たい言葉に、最初にキスを拒否した時と同じく、体が警告を発している。
くそっ、駄目だ。
このままだと負ける……それだけならいいが、本当に……試合に負けた以上の何かをされそうな気がする。
「いい、今から全力で、あなたを殴るわよ」
冷たい目、脅迫する言葉、掲げられたサキュバスの拳。
「弱ってるし、さすがに倒れちゃうかもねぇ……ほら、反撃しないとどうなるかわかるかしら」
本当はこんな事はしたくない……くそっ……でも負けるのは……女に負けるのは嫌だ。
一発だけ……全力では無い……すまない、許してくれっ!
「あぁん♪ うふふっ、そうよ、それでなきゃつまらないわ」
お腹をさすりながら、嬉しそうに、興奮したような声でサキュバスが言葉を上げる。
「いい拳を打つじゃない、私嬉しくて……少し濡れちゃったわ」
「はぁ……はぁ」
叩いてしまった、全力では無いにしても7分ぐらいの力で……女性の、暖かいお腹を。
「んーでもまだ加減してるわね、なぁに? 女の人の柔らかいお腹に触れて、興奮しちゃった?」
「そんなわけ……ないだろ!」
近づき、相手に避ける隙を与えず……最低限の加減をしつつ……サキュバスに拳を振り上げる。
「あぁん♪ いいわぁ、そうそう♪ もっと責めて♪」
が、実際はガードが固く、高く上げられたその腕を叩いているに過ぎない。
ここまで守りを固められると隙がない……どこを……どこを叩けばいいのか。
「きゃん♪」
拳が、柔らかい何かにあたった。
よく見ると、無意識のうちにサキュバスの胸に触れている。
「……わ、悪い」
「いいのよ気にしないで……それよりどう? 私のおっぱい気持ちよかった?」
「うっ……うるさい……ぐっ!」
サキュバスの声に怯むと、その隙に再び拳を打ち込まれてしまった。
「あらあら、動きが鈍くなっちゃった。なぁに、もうお終い?」
手に、さっきの胸の感触がまだ残っている。
それだけじゃない、最初に触れた暖かく柔らかいお腹の感触も。
「あははっ、そこ……膨らんじゃってるわよ」
気づいたら……下半身が……自分の性器が勃起していた。
そういえば試合に備えて、何ヶ月も女も抱いていない。
「どうしたのかなぁ、サキュバスと戦って……近づかれただけでおちんちん勃起しちゃったの?」
「ちっ……黙れっ!」
声を上げ、サキュバスの誘惑を振り払うかのように蹴りを放つ。
「あんっ危ない♪ えいっ……捕まえちゃった♪」
が足腰が弱っているせいか、それはサキュバスにあっさり受け止められてしまった。
「駄目ねぇ、一度意識しちゃったら……もう、Hな事しか考えられなくなっちゃわよ」
受け止めた足をわざと離さず、大きく膨らんだ性器をサキュバスが突いてくる。
「残念ね、もう少し熱い勝負を期待したのに……まぁ、そこそこ楽しかったわよ」
触れられただけで、じわじわと……下半身から……性器から何かがこみ上げてくる。
「やめろっ……触るなっ!」
「ああん♪ まーた、おっぱい触っちゃったん♪」
とっさに振り上げた手が、またサキュバスの胸に触れる。
柔らかい感触が拳を襲い、そこからジワジワ、全身を官能的な気持ちが支配してくる。
「おちんぽ勃起したままじゃ動きも鈍くなっちゃうわよ……うふふっ、一発出してあげようか」
サキュバスが、グッと素早く近づいてくる。
「ほら……楽にしなさい……んんっ」
今まで見せなかったような素早い動き、わざと手を抜いていた?
「うんうん素直ね……ほーら、熱いキスをしましょ」
いや違う、対等に戦うため、戦いの興奮を得るため、あえてこちらに条件を合わせていた。
数ヶ月ぶりの女性の唇に、力が抜けていく。
フラフラとベットに倒れ……ずっと我慢していた何かが抜け出ていく。
「あぁん……すごい量……どれだけ我慢してたの……んふっ……キスだけで……どくどく精液が出てるわよ」
目の前の悪魔に……サキュバスに……力が吸われていく。
「あなたの激しい責め、結構良かったわよ……ほら、ここもこんなに濡れてるでしょ」
汗をかき、戦いで乱れた衣裳を見せながら、サキュバスが深く、舌を絡ませながらキスをしてくる。
「んふっ……んぁ……そうよ……あなたの力……私にちょうだい」
キスだけで……体がビクビク震える……射精が止まらない。
逃げないといけない……このままだと……意識が消えて……死んでしまう。
「怖い? 逃げたい? でも駄目よ」
でも体が動かない……戦いで……淫魔にボロボロにされてもう身動き一つ出来ない。
「あなたは私と戦って負けたの……敗者がどうなるか……あなたにならわかるでしょ?」
捕食される、吸われる。
戦いに負け……サキュバスに敗れ……俺は……殺される。
「ほーら、そうよ……うふふっ……いい子ねぇ……んんっ……んっ……んふんっ♪」
吐息が……甘い……体が……干からびていく。
「眠りましょう……ほら……目をつぶって……私の中に入ってきなさい」
グチュグチュという音がする……下半身が、何かに呑み込まれた。
「ほーら、わかる? お姉さん、あなたのおちんちんを食べちゃった♪」
甘い喘ぎ声が響く中……サキュバスが息を荒げこちらを見つめてくる。
「んふんっ♪ 我慢してたのねぇ……んぁ……どれだけ貯めたの? 濃い精液がいっぱい」
ドクドクと、下半身から精液が溢れていく、射精が止まらない。
このままだと死んでしまう、体が警報を発している、命の危機を知らせている。
だがもう助からない……目の前のサキュバスに、全てを奪われてしまう。
「もういいの……強い強い格闘家さんはサキュバスに敗れ、その力を全部吸われちゃうの」
サキュバスにつながりながら、精を吸われながらの甘いキス。
「んぁ……んふっ……でも安心して……あなたの経験も力も全部……私の中で生き続けるんだから」
死への恐怖に、涙が出てきた。
「あぁん、駄目。あなたの全てをもらうって言ったでしょ」
だがその涙すら、一滴すら残らずサキュバスに舐め取られ、吸い取られてしまう。
「あはっ、そろそろ死にそうね……んっ……んぁん♪」
全部……何もかも……吸われる。
「さぁ……永遠の夢の中に……堕ちていきましょう」
殺される……んっ……死ぬっ……あっ……あっ。
「ほら……ほら……逝きなさい……んっ……ああんっ!!」
うっ……ううっ……ああっ……!!
「んっ……んっ……んふっ♪ うふふっ、ごちそうさま」
「はいはーい、こんばんは♪ サキュバスのセレンです♪」
ソファーの上、こちらに向かい、明るく手を振るサキュバスの女性。
その横では不安そうな顔をし、これから起こる出来事に怯えている男性の姿がある。
「今日は、何回目かな……まぁいいけど、この可愛い男の子と射精TAに挑戦したいと思います」
そう言うと、サキュバスはぐいっと横の男性を引き寄せた。
「ほらほら、あなたも挨拶しなさい」
サキュバスに吐息を吹きかけられ、男の体がびくっと震える。
「は、はい……ううっ……ごめんなさい……やっぱり……死にたくな……んんっ」
「あぁん、はい、余計なおしゃべりは駄目ですよー」
言葉を遮るように、サキュバスは男に口づけを重ねる。
「まずは勃起させないとねー、ふふっ、今までの挑戦で大体の手順はわかったわ」
サキュバスの激しいキスにより、部屋の中にクチュクチュとHな音が響く。
「んんっ……んふっ……んんっ」
淫魔のキスに口を塞がれ、手を虚空に、もがくように動かす男性。
恐怖によるその動きとは裏腹に、下半身にある性器は、あっという間に大きくなっていく。
「はい、いいわよーカメラマンさん、映像をあっちに向けて」
こちらを見るサキュバスの合図に合わせ、webカメラを部屋の隅へと向ける。
「まさかサキュバスの私が記録更新できないとはねー、正直さすがに悔しいわ」
部屋の隅に打ち捨てられた、何人もの男性の死体。
どの顔も恐怖に怯え、その下半身からは凄まじい量の精液が出ている。
「2位の可愛い女の子が1分40秒、1位のメイドさんが大会中に1分20秒だっけ、人間のくせにやるじゃない」
そこには、サキュバスの気まぐれに付き合わされた男達の姿。
自分自身、淫魔に誘惑され気まぐれに集められた人間の1人にすぎない。
「いいわよー、今度はいいスタートが切れるようにとっても濃厚なキスしてあげる」
「駄目、もう逝っちゃ……んんっ」
男に喋らせる事なく、サキュバスは口づけを続ける。
「はい、うるさい子ね、黙っちゃえ」
体を引き寄せ、じっくりと始まる淫魔の抱擁。
暴れる人間を捕らえ、心の底から嬉しそうな顔をしながらの、サキュバスの口づけ。
「あははっ、おちんちんがあそこにあたってるわよ、もう少し待ってねぇ、すぐ入れてあげるから」
脚を絡ませ、淫魔は暴れる人間を離さない。
「あらん、もうHな液体が出てるわよぉ。レオタード越しに、中に入りたいって凄いアピールしてる♪」
「んぁ……ううっ……出るっ」
男の様子が、だんだんおかしくなってきた。
「逝かせないわよぉ、ほーら、可愛いタマタマを掴んであげる♪」
体の震えが激しくなり、サキュバスの言葉も届かず、ただひたすら何かをこらえている。
「あははっ! すごい顔、なぁに逝きたいの? でも駄目よぉ、まだタイマー動いてないもの」
淫魔の手が、性器の根本を握って離さない。
人間が射精できないよう、その元を縛って笑っている。
「うわぁああああ、出ない……逝くっ! ああああっ……なんで……出してっ!」
サキュバスに抱きしめられ、フェロモンを直に感じ、快楽で頭が狂いそうになる。
「あぁん、いい声♪ ほらほら、逝きたかったらいつでも出していいんですよー、なに我慢してるんですかぁ♪」
「出したい! 出したい! 出したい! 離して、逝かせて!」
男の絶叫とも言えるような声が部屋に響く。
手のひら一つに射精をコントロールされ、獣のような声はマイクの音量ゲージを振りきっている。
「んーどうしようかな♪ んーんっ♪」
わざと悩んだふりをしながら、淫魔が軽く唇に口づけした。
「んぎぃっ!」
瞬間、ダムが決壊したように、塞がれた狭い狭い空間を通って、ピュッと一筋の精液が吹き出す。
「あら?」
突然の下半身への感触に、サキュバスが不思議そうに下腹部を見る。
「あっ……ああっ……ああっ!」
そこから、今まで縛られてた分、淫魔のフェロモンを吸い込んだ分、
体の全てが漏れたかのような精液が、一気に吐き出された。
「もぅ、我慢の足りない子ねぇ……ってもう私の声聞こえてないわね」
「んぁ……ああっ……あああっ」
サキュバスによって壊された人間が、白目を向きガクガクと命を吐き出す。
「これじゃあ射精TAにならないじゃない、もぅ」
そう、最初からこのように前段階で射精、吸い殺してしまうため。
そもそもタイムアタック用のタイマーが動いたことはほとんど無かった。
「しょうがないわねぇ、ほら、逝き続けなさい」
再び口づけを重ね、サキュバスがさらに射精を促す。
「はーい全部出しちゃいましょうねー、うんうん、いい子ですよー、あははっ」
またタイマーが動いて逝かせても、吸われた人間は死ぬまで射精を続けるため。
結果ストップの時間も遅くなり、記録も本人が思っているほど伸びなかった。
「どうせもう助からないし、どうせなら気持ちよくなって死にましょう、ね?」
キスで、目の前で、また人間の命が吸われていく。
モニタの中で、生放送に対してかなりの数のコメントがかかれている。
「やらせか いや本物だろう 羨ましい ↓頭大丈夫かよ
本当なら止めろよ これは本当のサキュバス、知り合いの淫魔がそう言っている ←嘘言うな」
自分が止めないと行けない立場なのはわかっている、でも、体が動かない。
「んふふっ、しょうがないわねぇ、残った人間も後一人になっちゃった」
サキュバスが、人間の命を吸いながらこちらを見ている。
次はあなたの番と、同じくらいの快楽を味あわせてあげると見つめてきている。
「最後は真面目にやるわ、でもその前にこの子の命を吸わないとね、まだ少し残っているもの」
抱きしめられた餌の体は干からび、完全に動きを止めている。
もう死んでいるようにしか見えない、それでも男はまだ快楽の中で悶えている。
「死ぬ寸前までちゃーんと、気持よくさせてあげる、さぁおやすみなさい」
最後に味わう、淫魔の深いキス。
唇が触れた瞬間、男の中の何かが壊れたように、一気にその体は崩れ落ちた。
淫魔の誘惑に、これから起こる出来事に、自分は逆らえない。
でも何か、警告を出すことはできる。
「さぁ、次はあなたの番よ、こっちにいらっしゃい」
サキュバスに命令される寸前、体が勝手に動き出す前に、
モニタに、配信上に一つのメッセージを出した。
「中継地 詳しい場所はこちら↓」
誰でもいい、もしこのサキュバスを見つけてくれれば何か起こるかも知れない。
「ちゃんと、カメラはこっちを向いてるの?」
「はい」
今まで何人もの人間が吸われるのを見て、ついにやってきた自分の番。
「いい子ねぇ、ええと、そのボタンを押せばタイマーは動くんだっけ」
「もう一回押せば止まります」
間近で見る美しいサキュバス、この世のものとは思えないその姿。
「それぐらいわかるわよ、これでも物覚えはいいんだから、本当よ」
胸の動機が止まらない。
「うふふっ……でもありがとう、キスをしたら初めてあげる」
これから起こる楽しみと、死への恐怖。
あらゆる感情が、
「はい、楽しいセックスの時間……スタート……んっ」
淫魔のキスによって、快楽に塗りつぶされた。
「うんうん、もう大きくなってる、それともこれは最初からかな」
サキュバスの手が、するすると下半身に進入してくる。
「それじゃあこれ、脱いじゃおっか♪」
甘い言葉に誘われるまま、あっという間にズボンを脱がされ、淫魔の前で性器が露出した。
「時間がないからね、はい、いただきまーす♪」
「うわっ、わっ……ああっ!」
性器が、淫魔に呑み込まれた。
沢山の人間を殺した下半身に、淫魔の蜜壺に……食べられた。
「んふんっ♪ いい感触ねぇ、ほらほら、早く出していいのよ」
顔を赤らめ、幸せそうな顔をしながら淫魔が見つめてくる。
「早く、早く♪ 我慢なんかいらないのよ」
でも……正直、感覚が麻痺していた。
こんな綺麗なサキュバスに、ずっと見ていた淫魔とのセックスに、体がしびれて動かない。
「もぅ……ほーら、もう時間が無いわよ んっ♪」
少しだけ不機嫌そうな声で、淫魔が口をふさいでくる。
「ちゃんと逝ったら殺してあげるからね、ほら早く逝きなさい!」
舌が絡み、その先から淫魔が媚薬をねじ込んでくる。
体が熱い、心からではなくて、なにか危険な、無理やり興奮させられてるような熱さ。
「ほら、出して、出すの!」
ソファーの上、餌に覆いかぶさりながら淫魔が腰を振ってくる。
大きな胸があたり、お腹があたり、その体温が、お互いの体を暖めてくる。
「まだなの、ほら、逝くの、気持ちよくなりましょうよっ」
淫魔の艶やかな声に促されて、体がどんどん熱くなる。
熱くなって、頭がふらふらしてきて、何かが崩れそうで、警告を出してくる。
「ほら……逝けって言ってるのよ、このクズ!」
「うぁ!」
瞬間、罵られた途端……麻痺していた体から、精液が一気に吹き出した。
「んんっ……あっ……ああっ!」
「あははっ、そうそう! いい子ねぇ、ほらほら、もっと出すの」
淫魔に精液が吸われていく、グチュグチュ音がして、全部呑み込まれていく。
「ああっ、でも駄目ね、ほら射精を止めなさい。そうしないと駄目よ」
射精が止まらない、今度は別の意味で体が麻痺している。
繋がったまま、淫魔に呑み込まれたまま、こんなの……自分の意志じゃどうにもならない。
「もぅ、しょうがないわねぇ」
淫魔が、自分を抱えたまま、繋がったまま、PCの前へと動く。
「あぁん、また溢れてきちゃった♪ 勿体無いわねぇ、これ全部あなたの命なのよ」
力が抜けていく、もう淫魔に支えてもらわないと立つこともできない。
「ビュービュービュービュー、獣みたいに逝き続けて、気持ちいい?」
気持ちいい……頭が溶けるようで、ずっとこうしていたい。
「でもそれ以上出したら死んじゃうわよ、ほらほら、止めなさい」
もっと、もっと、この快楽を味わいたい。
暖かくて柔らかい淫魔の中に……出し続けたい。
「あぁん寝ないの、死んだらしばらく精液止まらないでしょ、ほらほら、起きてなさい」
一緒になりたい……この綺麗なお姉さんに……全部吸われたい。
「んぁん♪ あぁん、こっちにきちゃうわ、この子の命……お腹に入ってきてる」
あっ……逝く……大きく逝って……死んじゃう。
命が……全てが……サキュバスに……呑み込まれる、
「しょうがないわね、いいわよ、ほら……いらっしゃい」
力が抜けて……スゥーって……命が……消える。
「ぜーんぶ、受け止めてあげる……んっ」
…………
「んふっ……んーんっ♪」
……
「んっ……やん♪」
「……うふふっ、ごちそうさま」
「あぁん、新鮮な魂ってやっぱりいいわね」
「さーて時間は……いやん、3分もかかってるじゃない、やっぱり射精時間が長すぎたわね」
「でもいいわ、射精した人間の気持ちよさなら、多分1位だと思うし……ん?」
「あら、物音がするわね、お客様かしら?」
久违的淫魔题材好文。。感觉像是DL上的小说,应该后面还有
前后应该是两个不同的小说,前面是格斗题材,后面是网络直播题材