サキュバスの巣

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サキュバスの巣
サキュバス集団
危険度:B(個々の能力はC以下) 出現場所:洞窟、廃墟等
知 能:普通 特殊能力:集団魅了
群れをつくり、集団で行動するサキュバス達を、ここではサキュバス
集団と称する。

基本的にサキュバス集団は単体で狩りの行えない下級サキュバス達の集まりであることが多い。
そのため個々の力は弱く、戦闘力はほぼ皆無といってよい。

魅了の力も微弱なものであることが多く、駆け出しの冒険者程度でも油断しなければ楽に倒せるだろう。

しかし、それはあくまでサキュバス単体と戦った場合である。
彼女達はその名のとおり、集団で行動しているため決して一人で行動することはない。
もしダンジョン内で一人のサキュバスを見つけたとしたら、その周囲には隠れ潜む仲間たちが確実に存在するといってよい。
一人のサキュバスに誘き出された冒険者は、瞬く間に大人数のサキュバスに囲まれてしまうだろう。

彼女達に特殊な力は無いが、個々の魅了の力は弱くとも、その数が数人、十数人になれば、累積した魅了の力は上級サキュバスをも上回るものとなることもある。
さらに個々のサキュバスの力が弱いといってもその数が増えていけば大の男でも簡単には振り払えない。
下級サキュバスといってもその性技は人間を堕としてしまうには有り余るものだ。
動きを封じられた冒険者を待つものは飢えたサキュバス集団による一方的な搾精である。

とはいえ、対策は比較的容易である。
悪魔祓いの加護や淫魔除けの護符などがあれば、所詮は下級サキュバス、近付くことすらできないのだ。
ただし、サキュバス集団を統率するリーダーがいた場合は別である。
数に任せ闇雲に冒険者を襲う烏合の集とは異なり、見目麗しいサキュバス集団による誘惑、人間の振りをしてのだまし討ちやダンジョンに設置された罠などを駆使し、様々な方法を使って冒険者を陥れる。

サキュバス集団は餌に飢えていることが多く、一度捕まってしまえばその精が枯れ果てるまで搾り取られ、二度と朝日を拝むことはないだろう。
運よく、いや運悪く生き残れたとしても、サキュバスたちの生餌として、残る一生を終えることになるだろうから。



サキュバスの巣
―1―
『近隣の洞窟に魔物が現れた、村の人間では太刀打ちできない。
どうかギルドの方々のお力を貸してほしい』冒険者ギルドに所属する剣士グレイがその依頼を受けたのは数日前のことだった。
手持ちの金に困っていたわけでもないが、持ち前の正義感から罪もない村人たちが魔物に襲われることを見過ごせなかったグレイはすぐさまその依頼を了承した。
「はぁ……思ったより遠いな……」現在、グレイは馬車で依頼をした人物の待つ村へと向かっているところだ。
グレイの拠点とする町から目的の村へはおおよそ二日といったところだろうか。
馬車に揺られながらグレイは依頼書を見返す。
(リザードマン、ジャイアントスパイダー……洞窟を住処とする普遍的な魔物ばかりだな)腕に覚えのあるグレイからすれば、辺境の洞窟に住むリザードマンなどの魔物は特に対処に困る必要もないと考えていた。
またジャイアントスパイダーに関しても万が一にそなえ解毒薬を準備した。
(……ん? 他に姿が確認されたモンスターに……サキュバス?)サキュバス―淫魔とも称される魔物は少女から妙齢の女性まで、様々な姿形をした人型の魔物だ。
グレイは今まで戦ったことのない魔物だが、知識としてだけは知っている。
彼女達は全員が生まれながらに美女、美少女であり、その魅惑的な肢体と言葉巧みな誘惑で人間の、主に男性を誘惑し、卓越した性技で生命エネルギーを搾り取る魔物だが、戦闘能力自体は低く、魅了の魔法さえ防ぐことができれば優位に戦えるはずだ。
(まあここに出現するのは力の弱い下級サキュバスばかりらしいし、淫魔除けの札も持ってきたし、大丈夫だろう)淫魔除けの札は上級サキュバスや特殊な能力を持つ夢魔、香魔といった淫魔ならばその力を少し抑える程度の力しか発揮しないが、能力を持たない下級サキュバス程度ならば札を所持していることで完全に魅了の魔法を防ぐことができるし、下級サキュバス自体も装備している者に触れることはできないのだ。
(そこまで心配する必要もない、楽な依頼だな……早く片付けてしまおう)手配書をたたみ、グレイは村までの数時間、どうしようかと悩みながら知らずのうちに眠ってしまった。
「おお! お待ちしておりました!」村へ到着したグレイを迎えたのは痩せた人のよさそうな老人だった。
案内されるまま、この村の村長だと名乗る老人の家に招かれ、グレイは詳しい依頼の話を聞くことになった。
「依頼を受けていただいて感謝の言葉もありません! えー……失礼ですがお名前は……」「申し訳ありません、まだ名乗っていませんでしたね、冒険者ギルド所属の剣士グレイと申します」「グレイ殿! 以前お聞きしたことがあります! 若く、美しい顔立ち、小柄な体に似合わぬ凄まじい剣技、歴代最年少で B +ランクまで駆け上がった並々ならぬ才能を持つギルドの新星だと!」握手を求める村長に応じながらグレイは困ったような笑顔を浮かべた。
このような小さな村にまで自分の話が広まっているとは思わなかったということ、そして小柄、という密かなコンプレックスまで広まっていることは面白くなかったが、村長は、救世主が来た! と言わんばかりに瞳を輝かせており、文句を言うこともできなかった。
「いや噂に違わぬ容姿をお持ちで……」グレイの顔を見つめながら村長は感嘆の言葉を漏らす。
本人からすれば自分の実力は全く関係のないところであるため特に興味もなかったが……実際のところ、グレイは一見すれば小柄な体格も手伝って少女に間違えられるのではないか、というほど線の細い美しい顔立ちをしていた。
「村長さん、僕の話はいいですから……さっそく依頼の話をしましょうか」「おお、申し訳ありません。
初めに魔物が現れたのは……」ようやく本題を話し始めた村長に小さくため息をつきながら、グレイは詳しい話を聞くことになった。
事の発端は二週間ほど前、村の近くで見たことのない魔物―リザードマンのことらしいが―を目撃したのが始まりらしい。
それ以来、村の外に出た村人が魔物に襲われることが急激に増加した。
その後、村人達はリザードマンの住処らしき村はずれの洞窟を発見、一度は村人だけで討伐隊を結成し向かおうとするも、洞窟内で様々な魔物に襲われ命からがら逃げ出したとのことだ。
「気付くのが遅かったのです。
もはや、私たちだけで解決する問題ではない、と。
ここはなんとか村中で金を出し合い、名高い冒険者ギルドへ依頼し解決をしていただくしかない……そう村人達で相談し決めました」沈痛な面持ちで語り終えた村長は強く拳を握りしめていた。
犠牲になった村人を想ってか、自分の無力さを噛みしめているのか……村長の言葉から強い想いを感じたグレイは頷きながら口を開く。
「なるほど……事情は把握しました。
さぞ、つらい思いをなされたのでしょう……安心してください、ご依頼、正式に引き受けさせていただきます」「おお……! ありがとうございます、ありがとうございます!!」グレイの言葉を聞いた村長はわずかに涙を浮かべつつ、グレイの手を取り、力いっぱい握手を繰り返した。
「さて、解決は早いほうがいいでしょう、僕はこれから件の洞窟に向かいます」「なんと……! もうすぐ夕刻、魔物が活性化する時間です。
明日の朝に向かったほうが……」「ご心配なく、おそらくリザードマン程度の魔物ならば大丈夫でしょう、洞窟の詳しい位置を教えていただいてもよろしいですか?」「さて……」村から一時間ほど離れた場所にその洞窟はあった。
小さな林の中にある岩壁に、暗く、大きな穴が覗かせている。
肩を伸ばし、体の力を抜きつつグレイは洞窟に突入する準備を整える。
「肩慣らしにもならなかったな……」地面に転がるそれらを見つめながらグレイは小さくつぶやく。
曲刀、木でできた盾らしきもの、そしてそれらの持ち主だったもの……両断され、命を落としたリザードマン達の死体だった。
十体以上のリザードマンを倒しておきながら、グレイは息ひとつ上がっていない。
(この分ならこの依頼はすぐに終わるかな)結局のところ、グレイの実力からしてリザードマン程度の魔物は相手にならなかったのだ。
そもそもこの依頼の適正ランクは C ~ D 、グレイのギルドで定められたランクは B+ だ。
この程度の依頼はそもそも受けないことが多いのだが、グレイの長所でもあり、短所でもあった強い正義感が黙っていなかったのだ。
「じゃあ……行こうかな」傍から見れば、緊張感のなく洞窟に入っていくグレイの姿は異様に見えただろう。
しかし裏を返せばそれはグレイの自分の実力に対する自信の表れでもあった。
「シャー!!」 ザンッ!!「キーッ!!」 ザンッ!!「はぁ~……」洞窟内は、リザードマン達が設置したのか壁に燭台が設置されており、それなりに明るく進みやすい。
左右からとびかかかってきたリザードマンを二振りで両断しながらグレイはあくびを噛み殺す。
洞窟に入ってからというもの、リザードマン、ジャイアントスパイダー、ポイズンサーペントなど……洞窟に出現するスタンダードな魔物たちに襲われたが、すべて特に苦戦することもなく撃退していた。
洞窟の大きさ自体はそれなりのようだが、横道が少なく、広い主通路を歩いているだけで最深部までたどり着けそうだ。
(それにしてもあまりにも退屈……ん?)そのとき、グレイは前方に新たな魔物の気配を感じて立ち止まった。
遠目からみた姿形はまるで人間のようだが、明らかに人間とは違う特徴がその影にはあったのだ。
グレイは新たな魔物に警戒しながらゆっくりとその影に近付いていった。
「あら…… ぼくぅ……こんなところで何をしているのかしら?」「……っ」甘ったるい女性の声が、まとわりつくように耳に入り込む。
その姿が鮮明になったとき、グレイはわずかに息を飲んだ。
そこにいた女性は、グレイが今まで見てきたどの女性よりも美しく、可憐な顔立ちをしていたのだ。
大きな瞳も、潤んだ唇も、一度見つめれば目を離すことのできないような、現実離れした美しさだ。
ただ、それは芸術品のような美しさとはまた違う。
夜の街で客引きをする娼婦のような、危うく、淫らな美しさだった。
そしてその顔と同様、いやそれ以上に目を惹かれるのはその肢体だった。
下着のような露出の激しい黒い衣服が、胸の一部と腰を覆っているだけであり、薄暗い洞窟で輝くかのような白い肌を存分に露出していた。
見たこともないほど大きな乳房も、むっちりとした大きなお尻も、すらっと長く、艶めかしい線を描く脚も……身体のどこを見ても目を惹きつけられてしまう。
(この女性……間違いない……)さらにその女性には最大の特徴があった。
それは普通の女性だったら絶対にないものだ。
長く尖った耳、髪の間から覗く赤黒い角、臀部から覗く蛇のように動く矢尻の形をした尻尾、そして背中から広がる蝙蝠のような羽。
「……サキュバスか」「ふふっ 一目見てわかるなんて……ぼうや、私たちのこと知っているのね」グレイは初めて遭遇するサキュバスに不覚にも僅かに動揺してしまった。
文献などで目にするのとは違う……実物は文字通り、人外の美しさだ。
これに惑わされ、犠牲になる冒険者がいることもうなずける。
「私たちのことを知っているなら話は早いわ……ぼうやみたいな可愛い子が、こんなところにいるとぉ……美味しく食べられちゃうわよ」動きを止めていたグレイにサキュバスは近付こうとする。
文献に書いてあった通り、淫魔特有の甘ったるい体臭はグレイの鼻をくすぐる。
舌なめずりをしたサキュバスはゆっくりと手を伸ばそうとするが……「あら? 近づけない……?」「……僕は淫魔除けの札を持っているから、キミのような下級サキュバスは近付くことはできないんだ」それを聞いた瞬間、好色に笑っていたサキュバスの顔色が打って変わった。
羽と魔力を使って素早く後方に飛び去り、警戒するような表情でこちらの様子を伺っている。
「淫魔除けの札ですって……? ぼうや、ただの迷い込んだ男の子じゃなさそうね……」「僕は冒険者ギルドから依頼を受けてきた剣士だ。
ここの洞窟のボスを倒しにきたんだけど……邪魔するならお前も倒す」「そういうこと……なら邪魔なんてしないわ。
私たちはここのボス……あのリザードマンに忠誠なんてないもの。
そうね……もし見逃してくれるなら、ボスの部屋につながる近道を教えてあげるわ」サキュバスの言葉を信じるか信じないか、グレイは少し考える。
そしてゆっくりと剣をしまった。
サキュバスの言うことをすべて信じるわけではないが、見た目がほとんど人間であるサキュバスを斬り殺すのも気分が悪いし、近道の話が本当ならば時間短縮にもなる。
「……一度は見逃してあげる、ただしもう一度、僕の前に現れたら……そのときは容赦しないから。
あとボスを倒したらこの洞窟からさっさ出て行ってね」「ええ、もちろん。
わかったわ。
近道はこの先の通路を左に曲がった小道の奥よ。
魔物を見逃すなんて、優しいのね、ぼうや」「……僕は子供扱いされるのは嫌いなんだ。
次にぼうや、って呼んだら斬るから」「あら気に障ったかしら……ごめんなさいね。
それじゃあ私はもういなくなるから。
頑張ってね、ギルドの剣士様」羽に魔力を込めたサキュバスは、ウィンクをすると洞窟の闇に消えていった。
グレイは最後までふざけた態度をとるサキュバスにため息を吐きながら、洞窟の奥へと歩き出した。
飛び去ったサキュバスは、洞窟の天井からつながる小部屋に居た。
その小部屋は彼女達がリザードマン達から隠れ住むために見つけ、整えたサキュバスの巣ともいえる場所だった。
「ふふっ…… まだ小さくて女の子みたいな顔をしているのに、眉間に皺を寄せて、大人ぶって可愛い子だったわ……」自分よりも格上のギルドの剣士と遭遇したというのに、その表情には怯えも焦りもなく、好色そうな笑顔だけが浮かんでいる。
「私を見たときのあの反応……きっと『初めて』なんでしょう 童貞のぼうやがわざわざこの洞窟を訪れてくれるなんて、私たちはツイてるわね」「くすっ」「あははっ」「ふふっ」周囲から、複数の女性の笑いが小部屋に響く。
その小部屋にいるのは、グレイが遭遇したサキュバス一人ではなかった。
ここはサキュバスの巣、そこには隠れ潜む幾人ものサキュバス達がいるのだ。
「若くて、綺麗で、ギルドの剣士だなんて。
きっととても美味しい精を持つに違いないわ。
今まで一番の獲物になりそうね…… みんな頑張りましょう」今度は周囲からは歓声があふれる。
ここに住む淫魔たちは皆精に飢えている。
ここは一人では狩りも満足に行えない、力を持たない下級サキュバス達の住処なのだ。
その中の一人がおずおずと少し心配そうに手を挙げた。
「あの、ディアーネ様、相手はギルドの剣士です。
それに淫魔除けの札を持っています……私たちだけでは……」ディアーネと呼ばれたのはグレイの遭遇したサキュバスだった。
その一人の声を受けて周囲からも不安そうな声が漏れ、瞬く間にざわざわと、どよめきはじめる。
「あなた達はなにも心配しなくていいのよ……私の言う通りに動いてくれれば、ギルドの剣士だなんて関係ない、童貞のぼうやなんて簡単に堕としてしまえるわ」ディアーネは安心させるかのように周囲のサキュバス達に宣言する。
あまりに自信に満ちたその声に周囲のどよめきは一瞬で静まり……「あぁん、ディアーネ様かっこいい」「さすが私たちのリーダーだわ!」「一生ついていきますわ……!」すぐに喜色に溢れた歓声へと変わっていく。
その様子を見てディアーネは笑みを深めた。
「本当に近道じゃないか、あのサキュバスどういうつもりだ?」グレイは一応、罠を警戒しつつ、サキュバスに教えられた道を試しに通ってみた。
結果、小さな抜け道になっていたそこを抜けると、開けた広間のような場所に出たのだ。
そこに居たのは多数のリザードマンと、一目でボスとわかる、岩でできた玉座に座る様々な装飾品を纏った体格の大きなリザードマンだ。
「キーッ!!」突然現れた侵入者に興奮したかのようにリザードマン達は武器を構えて襲いかかってきた。
リザードマンの振りかぶる曲刀を受け流し、最初の一匹の首を落としつつ、二匹目のリザードマンが曲刀を構える前に近付いて、両断する。
小柄な体格のグレイの戦術は、速さと技だ。
力で敵わない以上、それを磨くしかなかった。
しかしそれが功を奏したのか、グレイはメキメキと力をつけ、今ではギルドの大型ルーキーとして期待されているのだ。
「グォッッ!!」半数ほどのリザードマンを打倒したとき、玉座に座るボスらしきリザードマンが咆哮する。
回りのリザードマンの動きが止まり、控えるように後方へ飛び去った。
「ツヨキニンゲンヨ、ワレガアイテヲシヨウ……」拙いながらも、人語を話したリザードマンは、得物である巨大な斧を構え、こちらにむかってくる。
人語を話す魔物は知識が高い傾向にある。
知識があるということは技を使うということでもある。
体格から力比べでは話にならないだろう。
「……少しは楽しめそうかな」グレイは口元に笑みを浮かべ剣を構える。
リザードマン達が取り囲む中、グレイとボスリザードマンとの戦いが始まった。
「……この程度か……」愛剣の血糊を拭きながら、グレイは広間を見渡す。
首を刎ねられたボスリザードマンの死体、その他、取り巻きのリザードマン達はすべて息絶えていた。
(結局このランクの任務じゃこんなものだよね)討伐した証として、リザードマンの爪や牙、ボスリザードマンの付けていた装飾品などを回収し、グレイはため息を着きながら広間を出る。
(ボスがいなくなれば、基本的に魔物は住処を出ていく。
残った魔物も強い魔物が居なくなって安全ではなくなったここにとどまることはないだろうし、あとは村にちょっと滞在して残りの魔物が襲ってこないか見張っていれば大丈夫だろう)そんなことを考えながら小道を抜けて大きな通路を引き返す。
そして行きの道でサキュバスと出会った場所付近にたどり着くと……
―2―「あらぁ、また会ったわね『ぼうや』 ボスのリザードマンは倒せたかしら?」そこに居たのはさきほど一度見逃したはずのあのサキュバスだった。
羽をはためかせ、宙に浮いているサキュバスは余裕すら感じる笑みを浮かべ、グレイに手を振っている。
グレイはため息をつきながら、剣をゆっくりと構えた。
「……さっき言ったことは忘れたのか? 二度目はないっていったはずだけど」「ちゃんと覚えているわよ? ただやっぱり気が変わったの……だってギルドの剣士っていっても、ぼうやはこんなに小さくて可愛いし……私でも勝てると思ったのよ」サキュバスの言葉に、グレイは退屈な戦いで溜まっていた鬱屈とした思いがグツグツと怒りになって湧き上がるのを感じた。
このサキュバスは自分の実力すら図れない馬鹿なのか、それとも本当にグレイを弱いとでも思っているのか。
「それ、本気で言ってる?」「もちろん本気よ? だって、ぼうやったら童貞でしょ? 童貞で、人間の男の子なんてサキュバスにとっては最高の獲物だもの ……ぼうやだって、本当はおちんちん気持ちよくしてもらいたいんじゃないの?」淫魔除けの札を装備しているため、サキュバスからは近寄れないことも忘れ、サキュバスのこちらを舐め切った言葉にグレイの頭に血が上っていく。
サキュバスの淫らな言葉に嫌悪感すら覚え、グレイの感情は爆発した。
「さっきもいったけど、僕は子供扱いされるのが、嫌いなんだ!」剣を抜き、グレイは凄まじいスピードでサキュバスに肉薄した。
しかしサキュバスはそれを予期していたかのように天井付近まで飛び上がり、グレイの剣を躱かわした。
「あぶないわね……さすがギルドの剣士様…… やっぱり私じゃ勝てないかもしれないわ。
そうね、逃げさせてもらおうかしら」「……っ! 待て!」サキュバスは身を翻すと宙に浮かび上がりながら逃げ出した。
完全に頭に血が上っていたグレイは自慢の俊足でサキュバスを追いかけ始める。
宙に浮くサキュバスには剣による攻撃が当てにくいのが余計に怒りを生む。
主通路から外れ、洞窟の横道に入っていくサキュバスを追いかけ、グレイは疾走する。
「はぁ……はぁ……もう逃がさないぞ……」横道を抜け、ついに行き止まりらしき、開けた場所に出た。
天井も低くなり、サキュバスが宙に浮いたとしても十分に剣先が届くだろう。
「自分から挑んでおいて、逃げるなんて臆病者め! 今倒してやる!」グレイは怒りにまかせ、サキュバスに向かって走り出そうとした。
上に逃げ場のない部屋では下級サキュバス程度がグレイの剣を躱かわすことなどできない。
そう確信し、真っ直ぐにサキュバスへ突撃する。
ガコンッ!しかしその瞬間、グレイの足元の地面が、まるで重量に反応するかのように不自然に沈み込んだ。
(ま、まずい、これはトラップ……!)プシュッ!!「うわっ!!」踏み込んだ床から大量の真っ白い煙が噴き出し、グレイの全身を包んでいく。
洞窟などのダンジョンには、過去に住んでいた魔物や盗賊などが仕掛けたトラップが設置されている場所がある。
トラップの種類は多種多様だが、基本的に動きを止めるための落とし穴、痺れ罠、縛り罠などが多い。
しかしこの煙はそのどれにも属さないものだった。
装備外しの罠。
転移魔法を応用した対象の装備品だけを文字通り外してしまうトラップであり、ダンジョンで魔物と戦っているときにこれにかかってしまうと、武器や防具を無くし一度に窮地に立たされてしまう罠だ。
回りに敵がいなければただ装備を付け直せば良いだけなのだが…「 …あはっ 随分、良い恰好になったわね、ぼうや」「くそっ……トラップに誘導したのか……卑怯な……!」煙が晴れたとき、グレイは文字通り装備品……それどころか、衣服まですべてが外されてしまっていた。
小柄ながらも鍛えられて引き締まった身体も、陰毛の一本も生えていない、先端まで包皮の被ったペニスまでもがさらけ出されてしまったのだ。
「んー……あらあら ぼうやのおちんちん、可愛いお帽子を被ったままじゃない…… それに毛も生えてなくてつるつるのぴかぴか……想像通りの可愛いおちんちんだわ」「……み、みるなっ !! 」とっさに両手でペニスを隠しながら、グレイは羞恥で顔を真っ赤にする。
子供扱いされることが嫌いなグレイにとって、自分のペニスが包茎であり、陰毛もまだ生えていないことは大きなコンプレックスだったのだ。
「あら……おててで隠して……可愛い さぁぼうや、装備も服も無くしちゃったけどどうやって私と戦うのかしら?」グレイは四方に散らばってしまった武器、防具、装飾品、そして衣服を横目に見る。
回収するにはあまりにも離れすぎている。
それに目の前に立つサキュバスがただで逃がしてくれるとは思えない。
武器や防具がなくなったところで、相手は下級サキュバス、戦闘力はほとんどないはずだ。
「舐めるな……! おまえ程度なら……素手で十分だ!」羞恥心を完全に捨てきれず、片手はいまだにペニスを隠し続けていたが、グレイは片方の手を構えて戦闘態勢をとる。
それに対してサキュバスは笑みを絶やさず、余裕の態度を崩さなかった。
「勇ましいのね…… 確かに私は強くないけど……でも、ぼうやにはもう淫魔除けの札はもうないのよ? つまりね……サキュバスの魅了が通じるってこと ほらよく見て……私のおっぱい……」むにゅんっ、と音を立てるかのようにサキュバスの両手で持ち上げられた乳房が揺れる。
両手で包んでも収まりきらない大きな質量を持った乳房に、グレイの視線は一瞬で惹きつけられてしまった。
(な、なんだ……身体がうまくうごかない……それにサキュバスの胸から目が離せない……!?)何故だか、惹きつけられてしまった視線は釘づけになったまま逸らすことができない。
さらに、体が鉛のように重く、うまく動かすことができなくなってしまっていた。
「サキュバスのおっぱいはどうかしら…… 大きくて、柔らかくて、気持ちよさそうでしょう? この谷間に顔を埋めてみたい……両手でむにゅむにゅっ ってこねくり回したい、赤ちゃんみたいにちゅーちゅー って吸い付きたい……そう思わない?」サキュバスの甘ったるく、淫猥な言葉はグレイの耳から入り込み、グレイの脳には、言われたままの光景が浮かび上がる。
身体が熱く、自然と呼吸が荒くなってしまう。
「一度顔を埋めてしまったら、気持ちよくて二度とおっぱいから出てこられないかもしれないわね 両手で触って、揉んだりしてみたら、手のひらとおっぱいがくっついて離れないくらい気持ちいいわよ……?」年若いグレイには性経験はない、しかしその行為がどれほど気持ちよいものか、サキュバスの淫らな言葉が想像させるのだ。
(くそ、なんで身体が動かないんだ! それに股間が熱くなって……変な、気分に……)その行為を想像してしまった結果、男性であるグレイにはどうしても我慢できない生理現象が起こってしまった。
片手で隠していたペニスが、徐々に硬直し、肥大化して片手では隠しきれなくなったしまったのだ。
「あはっ ぼうやったら……おててから可愛いおちんちんの頭が見えてきているわよ? おっぱいに甘えたくなってきた……? ほらいいのよ……私に近付いて、好きなだけこのおっぱいを味わっても」目ざとく隆起したペニスに視線を注ぎつつ、サキュバスはますます強く自らの乳房を揉みしだき、グレイに見せつける。
(むにゅむにゅって、かたちがかわって、や、わらかそう……)グレイの視線はサキュバスの乳房に奪われたままだ。
そして言われるがままに一歩、サキュバスに向けて足を踏み出してしまう。
しかしそこではっとグレイは我に返った。
(だめだ!!こ、これはおそらくサキュバスの魅了魔法の力だ! 気をしっかり持て、早めに決着をつけるんだ)グレイは頭を振って意識を冷静に保とうとする。
身体が熱く、興奮してしまっているがわかる。
淫魔除けの札を取られたことで、サキュバスの魅了の力がグレイに及んでいるのだろう。
グレイは必死でサキュバスの乳房から目を離そうとした。
グレイは知らなかったが、魅了魔法は自分よりも格上の相手にはあまり効果がない。
ただしグレイ自身に性経験がないため、下級サキュバスの魅了魔法といってもそれなりに効果があったのだ。
「う、うぉぉっ!!」しかしいくら効果があるといっても元々の力の差があるため、グレイの意思の力が強ければいくらでも跳ねのけることはできたのだ。
大きく気合の声を上げるとグレイの身体に自由が戻り、意識も鮮明になっていく。
「さすがにぼうやと私じゃ力の差があるのかしら……一対一だとやっぱり私の魅了もあんまり効かないみたいね?」「……小細工を……! 覚悟しろ、サキュバスめっ!」グレイは大きく息を吐き、理性を取り戻した瞳でサキュバスに素手で立ち向かおうとした。
しかし、その時……サキュバスが不敵に笑った。
「そう、一体一……ならね」その瞬間、グレイの両腕が何者かに羽交い締めにされた。
同時に両足にも何者かがしがみ付き、その場から動けなくなってしまった。
「ぐぅっ! あ、新手かっ!」「はーい、ぼく 動かないでねー」「ディアーネ様、やりましたっ!」「お、おとなしくしてくださいね……」目の前に立つサキュバスとは別の、複数の女の声が聞こえる。
背後から羽交い締めをするのが一人、両足にそれぞれ絡みつくように抱き着くのが二人の計三人の声のようだ。
柔らかな身体がぎゅうぎゅうとグレイに押し付けられ、淫魔特有の甘ったるい香りが強くなる。
おそらくこの三人もサキュバスなのだ。
「くそっ、卑怯だぞ!!」「あら、さすがに私もギルドの剣士様に一対一で勝てるとは最初から思っていないわ。
だけど装備もなくして、魅了に無防備になったぼうやと私たち四人なら……どうかしらね?」ディアーネと呼ばれたサキュバスは動きを封じられたグレイを見て笑みを深める。
下級サキュバスといえども、成人女性程度の力はあるだろう。
三人の力で抑え込まれれば、小柄なグレイには分が悪かった。
鍛えているといっても体格や体重の差は簡単に埋められるものではない。
「私たちはもともと強いサキュバスじゃないもの。
一人で敵わないなら二人で、二人でも敵わないなら三人で、三人で敵わないなら、みんなで……人間だってとっても強い魔物と戦うときは集団で挑むでしょ?」(くそっ、敵は目の前の、一体のサキュバスだけだと油断した! 普段ならこんなミスは絶対にしないのに……!)普段のグレイならば、この距離まで接近される、ましてや素手で抑え込まれるなんてことは絶対にあり得なかった。
先ほどまで戦っていたサキュバス……ディアーネの魅了の力に惑わされた結果、グレイは周囲への警戒を怠り、今の不利な状況を作ってしまったのだ。
「ふふっ ぼうやが思った以上におっぱい夢中になってくれたおかげで、上手くいったわね。
おっぱい好きだなんて、ますます子供っぽくて可愛いわ」「はなせっ!!この……っ!」グレイはまとわりつく三人のサキュバスを引き離そうと全力で力を込める。
グレイの力に根負けし始めたのか、徐々に羽交い締めをしているサキュバスの手が緩み始めた。
「やだっ、この子、こんなに小さいのに力が強いよ~!」羽交い締めをしているサキュバスが耐えられないかのように驚きの声を上げる。
もう少しで抜けられる、そう確信したグレイは全力で力を込めようとして―「ひっ! あぁぁぁぁぁっ」突然、股間から感じたことのない感覚がグレイの全身を駆け抜けた。
拘束から逃れようと躍起になっていたグレイは、不覚にもディアーネと呼ばれたサキュバスが目の前まで迫っていることに気付いていなかったのだ。
そしてディアーネは片手でグレイのペニスを握り込み、絶妙な力加減で揉みしだいていた。
「ん~ つるつるで、良い触り心地…… 完全に勃起しちゃっているのに、おちんちんの頭は皮を被ったままの赤ちゃんおちんちん……それでも必死に硬くなってオトナになろうとしている頑張り屋さんね……」「うぁっ こ、このっ! どこを触ってる! あぁっ くぅ……やめろっ!」ぐにゅぐにゅとディアーネの手がペニスを揉みこんだ瞬間に手足から力が抜け、自分でも予想のつかない情けない声を漏らしてしまった。
さらにグレイの抵抗が弱まった瞬間、羽交い締めをしていたサキュバスが力を入れなおし、再び動きを封じられてしまう。
「やめろ、なんて口では言ってけど……おちんちんは気持ちいいよ~って喜んでびくんびくん跳ねちゃっているじゃない ほーら今度は優しくおちんちんを握って……上下にしこしこ~」「あっ、あっ、あぁぁっ」ディアーネは片手でペニスの先端を握り込むと、包皮だけをゆっくりと上下に動かしはじめる。
包皮と亀頭が擦れ、じんじんと痺れるような、くすぐったいような……とにかく耐えがたい感覚にグレイはたまらず腰を引いて逃げようとした。
しかし背後と両足でグレイを拘束するサキュバスがそれを許さなかった。
「あはっ ぼく、腰が引けちゃってる~ でも逃げちゃだめ~」「私たちも、気持ちよくしてあげるからね ちゅ……れろっ」「んっ……れろ……れろぉ」羽交い締めをしていたサキュバスはグレイの首筋に顔を近づけてその舌を這わせる。
両足にしがみ付くサキュバス達は腰を引こうとするグレイを抑え、自らの胸を押し付けつつ、グレイの下腿から大腿までを舐め始めた。
(ち、ちからが、はいらない……っ!)「サキュバスの唾液には強い催淫効果があるの。
舐められたら身体が敏感になって、少し触られただけでも感じちゃうようになっちゃうのよほら、どんどん舐められているところから気持ちよくなって、力が抜けていくでしょう?」ディアーネの言葉通り、逃げようと力を込めようとしても、首筋や股間、両脚から伝わる快楽がグレイの手足から力を奪う。
その間にディアーネはペニスをゆっくりと扱きあげながら、その異様なまでに美しい顔をグレイに近づける。
「いくらギルドの剣士様といっても、抑え込まれれば小柄なぼうやじゃどうにもならないでしょう。
今からぼうやは、下級サキュバスである私たちの『餌』になるの…… ぼうやが屈服するまで、淫魔の快楽を身体に刻み付けて、何度でも精液を搾り取ってアゲル…… 最後には自分からおちんちんを差し出すようになるまでね」「ふざけるなっ! ……ぼくは、おまえらみたいな、下等な、魔物に、屈することは、ない!」「……強い意思を持った素敵な目…… その目が、凛々しい顔が、ぼうやの言う下等な魔物に犯されて、快楽に歪んで、だらしなく蕩けてしまうのが今から楽しみだわ」ディアーネの口がゆっくりと開かれ、妖しく粘液の絡みつく肉色の舌と口腔内が露わになる。
サキュバス特有の甘ったるい香りが強くなり、吐息がかかるほどの至近距離までディアーネが近付いてくる。
「さっきも言ったけど、サキュバスの唾液はとっても強い淫毒なの。
それを今からぼうやの身体に直接注ぎ込んでアゲル…… いくら私たちの魅了の力が弱いと言っても、体内から直接魅了してしまえば話は別よ……」「な、なにをするつもりだ! 魔物め、顔を近づけるな、やめ……」意図を察したグレイは必死に逃げようとする。
しかしディアーネは他のサキュバスに命令しグレイの身体を強く固定した上で、ペニスを扱く手と逆の手でグレイの顎を掴み、勢いよくその唇を重ねた。
「んっ! ぐっ……」蛇のようににゅるにゅると動きまわるディアーネの舌が唇の隙間をこじ開けようとする。
本能的に危機を察知したグレイは必死で口を閉じ、ディアーネの口づけを拒もうとした。
「ん……れろぉ……だめよ……口を開けなさい」「んんっ あっ あぁぁっ」しかし同時にディアーネがペニスの先端、包皮の隙間から指を挿し込み、直接亀頭をクリクリと責め立てた。
包皮に包まれた亀頭を触れることなどほとんどなかったため、その刺激はグレイにとってあまりにも強烈であり、思わず口を開いて声を漏らしてしまう。
「んふっ いい子ね あむっ れろぉ……じゅる、じゅるるっ」嬌声を上げ、開いたグレイの口にディアーネはその舌を素早く侵入させる。
淫魔の唾液をたっぷりと絡めた長い舌がグレイの舌を絡めとり、ぐちゅぐちゅと音を立て貪るようにグレイの口腔内を犯し始めた。
「んーっ んっ あ、むぐっ、んんーー!」女性とのキスの経験のないグレイにとって、それはキスと呼んでよいのかもわからない、あまりに淫らで、下品な行為だった。
グレイの身体はビクビクと痙攣し、全身から力が抜けていく。
息をすることすらままならない、互いの唾液が混ざりあい、口の中が溶けてしまいそうな錯覚すら覚える。
「ん……じゅぷっ、れろ、れろぉ ほら、たっぷり飲み込んで……私とぼうやの唾液が混ざり合った特製のジュースよぉ…… じゅる、じゅるるっ……」「んんっ ……うっ、あっ、あ…… ごくっ……」ディアーネの口から注ぎ込まれる唾液が自分の唾液と混ざり合い、喉まで溢れ、体内に侵入していく。
灼けるような熱い感覚が咽喉から滑り落ち、そしてドクン、と心臓が跳ねた。
(お、おかしくなる……ぼくの、身体が……っ!)心臓の拍動が耳に響くほど早まり、明らかに異常と分かるほど身体が熱い。
洞窟に吹くわずかな風が肌に触れる感触ですら敏感に感じ取ってしまい、びくりと震えてしまう。
「んむっ……はぁ 全身が敏感になって、何も考えられなくなってきたかしら? ……あらあら、おちんちんビクビクさせて先っぽから涎まで垂らして…… そんなに弄ってほしかったのね」「や、やめろぉ いま、そこ触ったら、おかしくな―うぁぁっ」動きを止めていたディアーネの手がふたたびグレイのペニスを扱き始める。
その瞬間にグレイの口からは甲高く蕩けた嬌声が漏れてしまった。
先ほどまでの感覚と明らかに違う、一擦り事にグレイの頭の中で火花が散るかのような強烈な衝撃が走り、ペニスの先端から透明な汁が噴き出していく。
「はなせ、はなせよぉ てを、とめ……うぁ、ああああぁっ」「あはっ 可愛い声…… 男の子が快楽に悶える声ってほんと最高……おちんちんしこしこ気持ちいいでしょ? もっと気持ちよくしてあげるわ…… ちゅっ んむっ……」ディアーネの手が上下に動くたび、くちゅくちゅと先走りが皮と亀頭の間で音を立て、それと同時にグレイの口からは余裕のない甘い声が漏れる。
それを楽しむかのように笑いながらディアーネは再びグレイの口を塞ぐ。
「んんっ あっ じゅる……あっ あぁぁぁ」ディアーネのキスに思考回路を溶かされ、ペニスから伝わる快楽に完全に脱力してしまったグレイは立っていることすら精いっぱいだった。
それどころか、すでにペニスは我慢の限界を迎えつつあった。
「んっ はぁっ だめぇ、なにか、なにか、でちゃう!!」「はぁ…… ふふっ……もう限界みたいね……あぁ、そうだわ。
ぼうやは子供扱いされるのが嫌いって言っていたから……射精しちゃう前に大人のおちんちんにしてあげる」ディアーネはペニスを握る手に先ほどよりも強く力を込める。
先端から根元へ、先走りが絡んで滑りのよくなった包皮をゆっくりとずり下ろしていった。
「ひっ あっ むいちゃだめっ、だめだめだめっ」「あぁん ビクビクって跳ねちゃって……ほんとに剥きなれてないのね、だめよぉちゃんとむきむきしないと、立派な大人おちんちんになれないんだから……ほら、可愛いピンクの頭が見えてきたわ ……もうちょっと、せーのっ」「あっ あぁぁぁぁぁぁぁぁっ」むきっ どぴゅっ どぴゅううううっ包皮が一気に根元まで剥かれた瞬間、グレイのペニスから決壊したかのように精液が飛び出した。
身体をのけ反らせながら、全身を痙攣させてグレイは精液を飛び散らせる。
「あぁぁんっ 剥かれただけなのに射精しちゃったっ むきむきされたおちんちんから、たくさんお漏らししちゃってる あぁ、でも、この匂い…… 若くて、濃厚な、童貞ぼうやの精液の匂い!!最高、最高だわぁ」精液が飛び出した瞬間、ディアーネの顔色が豹変する。
先ほどまで余裕すら感じる笑みを浮かべていたディアーネは、興奮した様子でだらしなく顔を蕩かして、ペニスから飛び出す精液を片手で受け止めた。
「ディアーネ様ぁ 私たちも我慢できません!!」「精液っ 精液をくださいっ」「ディアーネさまぁ、お願いしますぅ」グレイを拘束しながら、射精の瞬間を見つめていた三人のサキュバスが我慢の限界のように拘束を解き、ディアーネに詰め寄った。
三人共に一様に、極度に興奮し、理性を失ってしまったかのような様子で、ディアーネの手にかかった精液を舐めとろうと舌を伸ばす。
「はぁ……はぁ…… くっ……」その時、わずかに残ったグレイの理性が千載一遇のチャンスに働いた。
脱力する身体になんとか力を入れて、サキュバス達から遠ざかったのだ。
しかし逃げたグレイなど目に入っていないように、ディアーネと三人のサキュバス達はディアーネの手に飛び散った精液を舐め、恍惚の表情を浮かべながら、全身を震わせていた。
「あぁん この精液、新鮮で、とっても濃くて、すごいのぉ」「もっと、もっと、もっと欲しい」「んんっ 舐めているだけで、イっちゃいそう……ですっ」特にディアーネ以外の三人は舌でわずかな量を舐めとっただけで、異常なほど興奮していた。
しかしディアーネは他の三人同様、舐めとった瞬間はビクビクと身体を震わせ、恍惚の表情を浮かべたが、すぐに己を取り戻し、逃げたグレイを見据えていた。
「はぁ…… んっ……ふぅ……私が、ぼうやの精液に魅了されちゃうところだったわ…… 精液に夢中になっている間に逃げられちゃうなんて、失敗しちゃったわね」「はぁ……はぁ……くっ、よくも、やってくれたな!」サキュバス達から離れたグレイは理性を取り戻し始めていた。
屈辱を味わわされたことによる怒りの感情が魅了の力を上回ったのだろうか。
身体はまだ熱く敏感で、包皮を剥かれたペニスはジンジンと疼き、油断すれば腰砕けになってしまいそうだが……頭は冷静になってきている。
「精液もっと……あっ あの、あのおちんちん、から出るのね もっと欲しいのぉ」その時、三人のサキュバスのうちの一人、羽交い締めをしていた身長の高い長髪のサキュバスが理性を失った虚ろの瞳でグレイのペニスを見つけ、すぐさま飛びかかろうとしていた。
冷静さを取り戻していたグレイは、向かえ打とうと拳を構える。
「だめよ。
ぼうやの姿を見なさい。
まだ完全に魅了できていないみたい。
真正面から挑んだら殺されちゃうわよ」「で、でも、精液が……わ、わかりました……」しかしディアーネが目の前に手を広げ静止させた。
諦めきれない様子だった長髪のサキュバスもディアーネに逆らえないようで押し黙ってしまう。
(やはり、あのディアーネと呼ばれたサキュバス……僕を罠に嵌めたことと言い、的確に状況を判断する能力といい……知能が高く、冷静で狡猾なリーダーだ)今、飛びかかってくれば確実にサキュバスを一匹仕留めることができた。
ディアーネはグレイが冷静に待ち構えていたことを見抜いて長髪のサキュバスを静止させたのだ。
(ただ、敵が動きを止めている。
このチャンスを活かさない手はない!)グレイはサキュバスが静止したとみると、鉛のように重い身体に鞭を打って、捨てられた愛剣を拾う。
拳なら敵を仕留めるのに時間がかかってしまい、複数の敵を相手取るには不利になってしまう可能性もある。
「はぁ……はぁ……もう不覚は取らないぞ。
覚悟しろ、サキュバスめ……!」今、剣を取り戻せたのは大きい。
基本的にサキュバスの戦闘力は低いはずだ。
さきほどは思わぬ伏兵によって不覚を取ったが、二度目はない。
今度こそ……。
「たおし……て……や、あっ……あぁぁ……」しかし、剣を取り戻し、サキュバス達を再び睨み付けたグレイは、動きを止めてしまった。
怒りに満ちた表情は、途端に蕩けた情けない表情へと変わり、サキュバス達のある一点に完全に目を奪われていた。
「だから、こうして、ぼうやのだぁいすきなおっぱいで、ちゃんと誘惑して、魅了して頭の中とろとろにしてあげてから、たくさん精液を搾り取ってあげましょうね」「「「はーい」」」サキュバス達は、一様に乳房を覆っていた薄布をまくり上げ、その乳房を惜しげもなく露出していた。
サキュバス達の一挙手一投足に合わせて揺れる真っ白い大きな淫肉、そして中心に張った薄いピンク色の突起。
それを見た瞬間、ドクンッとグレイの心臓が跳ねる。
「あはっ ぼうやがおっぱい大好きなのはもうわかっているのよ性癖が分かっていれば魅了の効果も抜群……それも今度はサキュバスの唾液を飲まされて、一度イかされて魅了への耐性も弱まってるところに、私一人じゃなくて、四人分のおっぱいを見せ付けられているんだもの」「やぁんっ すごいすごい ぼくったらおっぱいガン見して情けない顔してるー」「あっ 見て見てっ、おちんちんがむくむくって大きくなってきてる」「ほ、ほんとにおっぱい好きなんですね……可愛い」サキュバス達の言葉通り、横に並んだそれぞれの淫らな乳房に完全に目を奪われたグレイの股間は反りかえるように膨らんでいた。
「ぼうやみたいな、若くて童貞の子はね? 性への理解も経験もほとんどないから、こうしておっぱいを見せてあげるだけで簡単に興奮しちゃうのよ。
女性らしく、母性の象徴でもあり、小さなころにたくさん甘えたおっぱいが大好きなの」グレイ本人すら認識していなかった、心の奥に潜む性癖をディアーネは簡単に暴いていく。
理性を保てていれば、勝手なことを決めつけるディアーネに怒りの声を上げたかもしれない。
しかし、いまのグレイは乳房を魅せ付けられただけなのに深い魅了状態になってしまった。
それはディアーネの言葉が正しいという証拠でもあった。
他のサキュバス達はディアーネの言葉を聞いて、くすくすと笑いながらも自らの乳房を持ち上げ、揉みこみながらグレイに見せつける。
たったそれだけのことなのに、グレイの頭の中は溶けたように何も考えられなくなってしまう。
「ほぉらぼうや、見ているだけでいいの? はやくこっちにいらっしゃい…… 私たちのおっぱいで、ぼうやを包んで、甘やかして、蕩かしてあげる」(あたまが、ぐるぐるして、だめなのに、おっぱいのことしか、考えられないぃ)剣を持った手が震える。
いますぐにでもサキュバス達のもとへ飛び込んで、柔らかな八つの乳房に溺れていきたい、そんな欲望にグレイは瞬く間に支配されていった。
「ほぉらぼくぅ おっぱいでちゅよ~」「こっちにきて、いっぱいちゅーちゅーしましょ」「はぁ……はぁ……」乳房を揺らしながら手招きをするサキュバスのもとへ、欲望に支配されたグレイは蕩けた顔のまま一歩ずつ足を進めていく。
近付けば近づくほど、グレイの目にはサキュバス達の乳房がより鮮明に、より美しく、より淫らに映る。
その感触と、匂い、味を想像しながらグレイはだらしなく笑みを浮かべた。
(あぁ、おっぱい、柔らかくて、気持ちよさそう はやく、おっぱいのところにっ)サキュバス達との距離はもう遠く離れていない、今すぐにでも飛び込みたいくらいなのに何故か身体がとてつもなく重いのだ。
そうまるで何かに抵抗しているような……(なんで、おっぱいに、はやく、甘えたいのにっ! なんでぼくの身体は動かないんだ!)動かない自分の身体に苛つきながら、グレイは大きく腕を振って前に進もうとする。
しかしそこで、グレイは強く右手で握り込んでいた剣に気付いた。
(剣……? こんなもの、邪魔なだけ……)捨ててしまおう、指を離して地面に落としてしまえばいいだけだ。
だが、グレイの身体は絶対にその命令を聞こうとはしなかった。
剣に刻まれた見覚えのある紋章を見た瞬間、グレイの頭の中で何かが弾ける。
(僕は、ギル、ドの剣士……? サキュバスの、おっぱい、大事で、違う、僕は何を……!)「……そうだ」グレイの口から、小さく一言言葉が漏れた。
先ほどまでの蕩けた表情とは違う、その瞳には明らかに理性の光が宿っていた。
(ぼくは……僕はギルドの剣士グレイ、このサキュバスを打ち倒すんだ!)グレイは魅了によって動きの鈍った身体を震い起こし、サキュバス達に向かって歩き始める。
あの乳房を見てはいけない、精神力を振り絞って視線をそらしつつ、魅了にかかったふりをしてグレイは必殺の距離まで近付こうとした。
「ほーらおっぱいまであとちょっとだよ あんよがじょーず あんよがじょーず」サキュバス達はグレイが理性を取り戻したことに気付いていないようだ。
チャンスは今しかない、剣を使えば、サキュバス達を殺してしまうのは一瞬だ。
もう少しだ、もう少しで―「……あぁ、『やっぱり』さすがギルドの剣士様ね……」その時、ディアーネはくすりと笑ってそう呟いた。
(バレている!!)「……はぁぁぁぁぁぁっ!!」それを聞いた瞬間、グレイはばっと顔を上げ、全力で目の前に立つ三人のサキュバスに向かって剣を振りかぶった。
「きゃんっ」「あっぶなーい」「ディアーネ様の言った通りでしたね」しかし、その剣は誰にも当たることなく、むなしく宙を斬った。
サキュバス達は予想していたかのように後ろに跳んでグレイの剣を簡単に避けてしまう。
グレイは驚愕に顔を歪めた。
魅了により身体が鈍っていたのもあるが、スピードが自慢の自分の剣がまさかこの距離で避けられるなんて―「ある程度、予想できていたのよ。
私たち四人がかりでも、一度イかせて、淫魔の唾液まで飲ませたボウヤを完全に魅了できない……それだけの力の差が私たちとぼうやにはあるもの。
ほんとに自分たちの弱さが、サキュバスとしての能力の低さが嫌になるわ」僅かに自嘲するかのように、ディアーネは話し始める。
その意図が分からず、再び魅了されないように視線を外しながら様子を伺うグレイだったが、その時、バサバサと蝙蝠の大群でも飛び立ったかのような風を打つ音が聞こえてきた。
それはグレイが入ってきた、この開けた場所の入口や、天井付近に開いた複数の穴から聞こえてくるようで……「だからね、四人がかりでダメなら、『みんな』でかかるしかないわよねぇ」「な、なんだ……と、あ、あぁぁぁっ……」洞窟の入口、横穴、天井付近……様々な場所から現れたのは容姿こそ違えど同様の特徴のある女性たち、可愛らしい少女から、妖艶な色香に包まれた熟女まで……美しくも可愛らしい美女ばかり。
蝙蝠の羽、頭から覗く角、先端が矢尻のようになった尻尾、そして肉欲的で、淫らな男を誘う肉体を持つ彼女達は紛れもなく―「サ、サキュバス……! こんな、数っ……!!」その特徴は紛れもなくディアーネ達と同じ―サキュバスだ。


―3―
「あははっ」「くすっ」「ディアーネ様ぁ」サキュバスたちは、次々とグレイとディアーネ達を取り囲むように降り立っていく。
一人、二人、三人、四人……瞬く間にグレイはサキュバスの集団に囲まれてしまう。
そして最後の一人らしきサキュバスが現れ、洞窟に響いていた翼の音が止んだ。
(こ、の数は、まずい。
囲まれて、逃げ場もない……!!)正確に数えることはできなかったが確実にその数は三十を超えているだろう。
グレイはこの数以上の魔物と一人で戦ったこともある。
実際、洞窟ではリザードマン達を数多く葬ったのだ。
しかし、そのグレイは今の状況では一切の余裕がなかった。
焦りと同時に、堪えようのない絶望感を感じる。
それもそのはずだった。
四人のサキュバスに我を忘れ、魅了されそうになった自分が、この数のサキュバス相手に正気を保つことができるのだろうか。
(くそ……だめだ、この、甘いにおい……サキュバスのにおいが……なにも、かんがえられ……)周りをサキュバスたちが囲んだ途端にサキュバスの放つ甘ったるく、癖になりそうな香りがこの空間に充満し、その濃度を限りなく上げていた。
グレイはその香りに思考能力を奪われ、だらん、と腕をぶら下げて棒立ちになってしまう。
「くすくす……」「すごーいおちんちん丸出し……」「すっごいにおい……お腹空いてきちゃう」隙間なく、輪のように並んだサキュバス達は、ひそひそと話しながら皆一様に、グレイの顔や身体、そそり立ったペニスを好色な笑みを浮かべ食い入るように見つめていた。
「洞窟中に隠れ潜んでいるサキュバス達、みんな集めたのよ この人数なら、いくら二回も魅了に耐えたぼうやでも、どうにもならないでしょう? ……さぁみんな、ぼうやにおっぱいを見せてあげて? ぼうやはおっぱいが大好きなの」ディアーネの言葉に合わせ、周囲を取り囲むサキュバス達は服をまくり上げて、惜しげもなく、その乳房を露出しグレイに見せつけてきた。
むにゅんっとその重量を表すかのように揺れながら現れる乳房はそのほとんどが人間ではありえないほど大きく、美しく、まるで男の欲望を具現化したかのような淫猥さだった。
「あっ…… あっ、ひぃ……」サキュバス四人の乳房による誘惑の時点で、グレイはほぼ魅了されかけており、ギリギリで精神力を振り絞り、耐え抜いたのだ。
それが今度は四人どころではない。
見渡す限り、無数の乳房で囲まれ、誘惑されてしまえば耐えられるはずもなかった。
(だ、めだ、いしき、をたもたなきゃ……でも、おっぱいがぁ)必死に取り戻したはずの意識はその乳房に飲み込まれるように溶かされ、握り込んでいた剣すらもついに指が離れ、地面に落としてしまう。
「みんなのおっぱい、ぼうやは気に入ってくれたみたいね おちんちん一生懸命おっきさせて、蕩けた顔をして……そろそろぼうやも見ているだけじゃ、満足できなくなってきたでしょう。
ねぇ、みんなも、お腹が空いているでしょう? ぼうやの精液欲しいわよね?」魅了されて棒立ちになったグレイを見たディアーネは満足そうに笑みを浮かべて、サキュバス達へと声を投げかけた。
それを聞いた周囲のサキュバス達は歓声のような声を上げる。
あるものは涎を垂らしながら、あるものは下品な笑みを浮かべながら、あるものは自らの指で秘所や乳房を弄りながら―すべてのサキュバスの視線はグレイのそそり立ったペニスに向かっていた。
「あははっ みんなも我慢できなさそうね ……もちろん私も、さっきからお腹の奥が疼いて仕方がないんだから……。
今度は、もう二度と逃がさないわ。
私たちみんなで、イかせて、イかせて、イかせて、イかせて、イキ狂って、快楽のことしか考えられなくなくなるまで……犯してあげる」ディアーネがそう言った瞬間、周囲を囲んでいたサキュバス達は解き放たれた獣のように中心のグレイへと群がっていった。
四方八方から飛びかかるサキュバスに対し、棒立ちだったグレイはわずかに抵抗するような素振りを見せる。
(ぼくは、ギルドの、剣士だ、たおさなきゃ、こいつらを、こいつ、らをっ!)大量のサキュバスに魅了され、意識をほとんど持っていかれても、グレイの中にはまだギルドの剣士である誇りが残っていた。
その誇りがわずかにグレイの身体を動かして、両手を構えるように上げさせたのだ。
「さ、きゅばすめ、たおして、は、はなせ、やめろっ! あぁぁぁぁぁっ!!」しかし、その誇りは、抵抗は、我先にと群がる飢えたサキュバス達に対してあまりにも貧弱で、滑稽なものだった。
瞬く間に無数の手に四肢を掴まれ、抵抗もできず引き倒される。
さらに引き倒された先には、柔らかく、どこまでも沈み込んでしまいそうなサキュバスによる肉の布団があった。
「あはぁっ 捕まえたぁ 私がぼうやの布団代わりになってあげるからねぇ」「あ~ん ずるいわぁ」「私も抱きしめた~い」「ねぇ、それよりおちんぽっ はやくおちんぽよぉ」寝ころんだサキュバスの柔らかな乳房に後頭部を埋めるように抱きしめられながら、グレイは興奮した無数のサキュバスによって腕や脚を掴まれ、強引に広げられる。
大の字に拘束されたことによって、サキュバス達の目の前に、グレイの隆起したペニスが晒されてしまう。
……ごくっどのサキュバスが漏らしたのか、まるで極上の料理を目の前に出されたかのような生唾を飲み込む音が聞こえた。
仰向けに拘束されたグレイからは自分を見下ろすサキュバス達の顔がよく見える。
口をだらしなく開けて、涎を垂らしながら息を荒げるその様子は、餌を前にして興奮を隠しきれない獣そのものだった。
「み、みるなぁ! はなせ、はな……むぐっ! んっ」むにゅぅぅぅぅっせめてもの抵抗をしようと口を開いたグレイの視界が突然塞がれる。
同時に顔面がとても柔らかく、気持ちの良いモノに包み込まれた。
しっとりとした柔らかなそれはグレイの顔をずぶずぶと飲み込んでいき、ついに頭がまるごと包み込まれてしまう。
「んっ んーーーっ」視界が封じられたグレイが感じるのはその蕩けてしまいそうな柔らかさ、そして蒸れた甘ったるい匂いだけだった。
その感触と匂いに包み込まれているだけで頭がおかしくなってしまいそうだ。
「ふふっ うるさいお口は大好きなおっぱいで塞いであげるっ」グレイの顔面はサキュバスの乳房によって完全に包み込まれていた。
自分の頭よりもはるかに大きいその乳房を両手で持ったサキュバスは、むにゅむにゅと両手で乳房をこねくり回し、グレイの顔面を乳肉で蹂躙していく。
後頭部にはグレイを抱きしめているサキュバスの乳房が当たっているため、グレイは四つの乳房にサンドイッチされているような形になっていた。
「まずはおっぱいでたくさん気持ちよくさせてあげて、ぼうやの身体に、心に、サキュバスのおっぱいの気持ちよさを刻み込んであげなさい。
」「「「「「「「はーいっ」」」」」」」ディアーネの言葉にサキュバス達は声を揃えて返事をしたかと思うと、素早くグレイの身体に群がっていった。
あるサキュバスはグレイの腕を乳房に挟み込み、むにゅむにゅと揉み込みながら上下に擦りつける。
あるものはグレイの手のひらを自らの乳房に押し付け、強制的に揉ませようとする。
またあるサキュバスはグレイの脚に沿って乳房を擦りつけていく。
むにゅっ むにゅっ むにゅん「んっ んっ んんんんっ」サキュバス達の乳房が押し付けられ、擦りつけられるたび、グレイの口からくぐもった喘ぎ声が漏れる。
しかしそれはまだ、序の口でしかなかった。
そそり立ったペニスには我先にとサキュバス達が興奮した様子で殺到しようとしていた。
その中でも三人、精に飢えた若いサキュバスがペニスにたどり着く。
「あはっ いっちばーん たくさんミルク搾りだしてあげるっ」「あんっ だめぇ 私だってミルクほしいもん!!」「んんっ みんながっつきすぎぃ お兄ちゃんのミルクを貰うのはあたしなんだから!」グレイと同じか、もしくはそれ以下の少女の姿をした三人のサキュバスがペニスに近付き、グレイのペニスに乳房を押し当てようとした。
彼女達は外見に反して不釣り合いなほど大きな乳房を持っており、それを同時に押し当てようとした結果、ペニスに三方向から同時に迫った乳房がそれぞれが密着し、形を変えて中心のグレイのペニスを押し潰した。
むにゅぅぅぅっ「んんんんっーーーーー」乳房に顔を包まれたグレイは、あまりの快楽にくぐもった喘ぎ声をあげることしかできなかった。
こんな気持ちの良いものは知らない、六つの淫肉によって、ペニスが包みこまれ、溶かされ、甘やかされている。
「あんっ おっぱいの中で……ふふっ おっぱい気持ちいいんだ?じゃあもっと気持ちよくしてあげるねっ」それに興奮したのか、グレイの顔を乳房に閉じ込めていたサキュバスも、さらに乳圧を高めてグレイの顔ごとその乳房を捏ね回す。
たぷん、たぷんと乳肉が音を立てながらグレイの顔を蕩かし、理性を奪っていく。
(お、おっぱいがぁ とけるっ からだがとけちゃうぅぅぅっ)あまりに甘美で、心地良い。
まるで全身が乳房に飲み込まれてしまったかのようだ。
「んんっ おちんちんあつぅい おっぱいやけどしちゃいそう」「あっ びくびくって震えて……イっちゃいそうなんだ」「射精して はやくっ お兄ちゃんの精液、いっぱいほしいのぉ」ずりゅっ ずりゅっ ずりゅっ若い三人のサキュバスは三人同時に体ごと乳房を激しく上下させてグレイのペニスから精液を搾りだそうとした。
一擦りで、グレイのペニスから我慢汁があふれだし、二擦りでペニスがビクンと震えた。
そして三擦りでグレイのペニスは限界を迎えてしまった。
「んっ あっ んんんんんんっ」どぴゅううううっきゃぁぁぁっ と回りを取り囲むサキュバス達から黄色い歓声が上がる。
六つの乳房によって包み込まれたグレイのペニスから噴水のように精液があふれ出て、サキュバス達にシャワーのように降りかかっていく。
「あっ でたぁぁっ ミルク、いっぱい……あぁぁん 凄い味ぃ」「やだっ なにこれっ 舐めてる、だけで、イっちゃうぅぅぅっ」自分の身体についた精液を舐めとった瞬間、サキュバス達は恍惚の表情を浮かべ、びくんびくんと痙攣を起こしてしまう。
彼女達、下級サキュバスにとって能力的に格上であるグレイの精は普通ならば絶対に味わうことのできない極上のものだった。
中には一舐めしただけで絶頂してしまい、倒れ込んでしまうものいる。
「あらあら…… やっぱりぼうやの精液は私たちには刺激が強すぎるみたい たくさん味わって慣れないと、これから先大変ね……さぁ他のみんなも交代してぼうやを気持ちよくして、精液を搾りだしてあげなさい」ディアーネの声に精液の匂いにますます興奮を増した周りで見ていることしかできなかったサキュバス達が歓声を上げる。
そして先に精液を味わい、身体から力の抜けたサキュバス達と交代してグレイの身体に群がっていった。
「じゃあ今度は私たちが気持ちよくしてあげるからね、ぼうや……」「さっきは若い子たちに譲ったけど、我慢の限界……私たちもぼうやのおちんちん欲しくて仕方ないんだから……」「ぷはっ……あっ はぁ…… あっ」グレイの顔を乳房で包んでいたサキュバスが退き、視界が開かれた先には色香の漂う妖艶な見た目のサキュバス達が微笑んでいた。
人間で言えば、小さな子供がいるくらいの年齢だろうか、熟成した肉体を持つ、艶やかなサキュバス達だった。
「ふふっ 私たち、ぼうやくらいの年の男の子が大好きなの……特にぼうやみたいな、可愛い男の子がね……」「ピチピチの肌、サラサラの髪、それにまだまだお子様の可愛いおちんちん…… あぁ最高 ディアーネ様に感謝しなくちゃ……」「あっ さわ、る、なぁ あっ、あぁっ」艶やかなサキュバス達は、恍惚の表情を浮かべながら愛おしそうにグレイの身体を触っていく。
わきの下や乳首、脚の付け根など敏感な場所を愛でるようにサキュバス達は熟練した手つきでなぞっていった。
彼女達は下級サキュバスといえど、年齢を重ねている分、男性の性感帯を熟知し、どうすれば悦ばせることができるのかを熟知している。
その焦らすような愛撫によってやや硬さを失っていたグレイのペニスは瞬時に硬く膨れ上がった。
「はい、これでおちんちんも準備完了…… さぁぼうや、おっぱいの時間よ……」「ひっ! あっ……あぁぁっ」艶やかなサキュバス達は乳房を両腕で抱え、グレイの身体ににじり寄る。
四方から迫るサキュバス達を見て、グレイの口から漏れたのはあまりにも情けない悲鳴だった。
それはサキュバス達の乳房に与えられる快楽によって、次こそ自分がどうなってしまうかわからないという、恐怖から漏れたものだった。
「ふふっ 可愛い声……よぉくみててね? ぼうやのおちんちんが、サキュバスのおっぱいに食べられちゃうトコロ……」「あ、あ、ああぁぁぁっ……」サキュバスの乳房がゆっくりとグレイのペニスに近付いていく。
左右に開かれた乳房の中心へ、捕食されるかのようにペニスが飲み込まれていくところを、グレイはなすすべもなく見つめていることしかできなかった。
ペニスに柔らかく、あたたかい感触が触れた、そう感じた瞬間だった。
「あっ!?な、なに、これっ だめぇ とけちゃうぅぅぅっ」むにゅぅぅぅペニスがすべて乳房に覆いつくされた瞬間、グレイの口から我慢できずに嬌声が漏れてしまう。
しっとりとした乳肉は隙間なく、ペニスに吸着し、包み込まれているだけで極上の快楽を与えてくる。
その乳肉は溶けてしまいそうなほど柔らかいのに、ペニスを乳房の間から逃がさない張りと圧を持っていた。
「ぼうやのおちんちんがおっぱいの中でびくんびくん って跳ねて……ふふっ 気持ちよすぎて腰も浮いてるみたい……」「あぁうらやましいわぁ……私もぼうやのおちんちん、欲しかったけど……んー…… そうね ぼうや、お口あーんってしてぇ」「んっ んんっ あぁっ、むぐぅ」グレイが嬌声を上げ、口を広げた瞬間、グレイの口に乳房を近づけたサキュバスは乳房の先端……ぷっくりと膨らんだピンク色の乳首を無理やり口の中にねじ込んできた。
「あんっ 無理やり授乳しちゃったぁ 私、ぼうやみたいな可愛い男の子におっぱい吸わせるのが夢だったのぉ ほら、おっぱいちゅーちゅーしてっ おっぱい好きのぼうやなら、これもしたかったんでしょう」興奮した様子のサキュバスは、大きすぎる乳房をぎゅうぎゅうと顔面に押し付けながら乳首を吸うように促してくる。
乳房に半ば埋もれながら、グレイは必死に湧き上がる欲望を抑え込もうとした。
ここでこの欲望に負けて、乳首に吸い付いてしまったら、もう心まで屈服し、敗北してしまったということだ。
ギルドの戦士として、心まで負けるわけにはいかない。
そう誓い、グレイは口の中にある乳首をなんとか吐き出そうとした……はずだった。
「んんっ ちゅっ、ちゅー ちゅーちゅー」「あぁん ぼうや、おっぱいちゅーちゅーじょうずねぇ 夢中になって吸っちゃってる あかちゃんみたいで可愛い~ 私が乳魔だったら、ほんとうにおっぱいミルクを飲ませてあげられたのになぁ」グレイの口は、無我夢中でサキュバスの乳首に吸い付いていた。
躊躇も、遠慮も一切ない。
本当の赤ん坊のように乳首を味わい、吸い付き、その奥から母乳を吸いだそうとしているようだ。
(な、なんでっ ぼく、かってにくちがぁ だめぇ、おっぱい、おいしいぃ)グレイの意思とは無関係に身体が動いてしまう。
グレイの性癖を、欲望を、魅了の力で引きずり出したサキュバスによって、グレイの身体は意思とは乖離し、欲望のまま快楽を求めるものになってしまったのだ。
「ふふっ おっぱいちゅーちゅーしてる間に、おちんちんも、おっぱいで気持ちよくしてあげまちゅからね~」たぷんっ たぷんっ「んっ んんんんんっ」乳首に夢中になっているグレイは、股間から感じる腰が抜けそうな快楽に乳首を咥えたまま嬌声を上げる。
グレイのペニスを乳房で包み込んだサキュバスは、その乳房をゆさゆさとペニスごと揺すっていた。
「じゃあ私達は……ぼうやとキスしちゃおうかしら」「お口は……おっぱいで塞がってるから、ここで……ねっ」こりっ こりっ「んんっ そこぉ だめぇ、ちくびっ あたってっ」左右からグレイの胸板に迫った二人のサキュバスは、自らの乳房を掴み、その先端をグレイの乳房にキスをするかのように擦りつけた。
こりこりとした硬い感触が乳首に触れるたびに電流のような感覚が走り、ペニスから感じる快楽とは違う、ジンジンと深く響いていくような感覚にグレイは身悶えしてしまう。
(こんな、こんなのっ おかしくなるっ おっぱいのことしか、考えられないぃ)「おちんちん震えてきまちたね~ もうおもらししちゃいそうなの?おっぱいちゅーちゅーしてぇ、おっぱいにおちんちん包まれてぇ、えっちなおもらししちゃいそうなのね」サキュバスによって、恥辱に塗れた今の状況を言葉にされるだけで、羞恥心でおかしくなってしまいそうだ。
だが、今のグレイにとってその羞恥すら快楽の上乗せする要素になってしまう。
「ぼうや おっぱいの中で、いっぱいおもらししちゃいなさいっ」ずぷっ ぬぷっ むにゅんっ「んんっ んんんっ あっ、あぁぁぁぁっ」どぴゅううううっ「あっ すごい量、ぼうや、おもらし、上手ね あんっ おっぱいから零れちゃう」恍惚の表情を浮かべたサキュバスの乳房の中で、グレイはすさまじい量の精液を放出した。
生命力をそのまま精液に変換しているかのように、ドクドクとペニスは蠕動し、乳房のなかに精液を吐き出し続けた「あ~ん ぼうやのミルク独り占めなんてずるいわぁ」「私達にも分けなさいよ~」「あんっ ちょ、ちょっと、おっぱい吸い付いちゃだめっ あぁんっ」射精した瞬間、精に飢えたサキュバス達は、精液のたまったサキュバスの乳房に飛び込んで一舐めでもグレイの精を味わおうとする。
一瞬、サキュバス達の拘束から解放されたグレイだが、すぐに次の精に飢えたサキュバス達が好色な笑みを浮かべて迫ってくる。
「は~い、次は私っ」声を上げる間もなく、再びグレイのペニスは別のサキュバスの乳房に捕らわれた。
全身を乳房で嫐られ、射精し、また別のサキュバスが交代し、再び射精させられる。
それを幾度となく繰り返し、グレイが何も考えられなくなるまでそれは続いた。

―4―
「は、ぁっ……あ……うっ……」息を荒げ、虚ろな瞳のまま倒れ込んだグレイは、意識を失う一歩手前だった。
数えきれないほど射精させられ、そのたびに理性を失っていったグレイは最後には嬌声すらも出せなくなっていた。
「……はい みんな一回休憩しましょう。
」ディアーネがそう宣言するまで、他の数十人のサキュバス達は肉食獣のごとく、飢えを満たそうとグレイを犯し続けていた。
ただし、ディアーネの言いつけ通り、乳房のみを使っての凌辱であったが。
「で、でもディアーネ様っ この子の精液美味しすぎてぇ、まだもっと欲しいんですぅ」「このままだとぼうやを搾り殺しちゃうわ。
そんな勿体無いことできる?」その言葉に興奮していた様子のサキュバス達も、しぶしぶとグレイの身体から身を引いた。
彼女達、下級サキュバスにとってグレイのような獲物を得る機会は奇跡のようなことなのだ。
この一度の機会で失ってしまうということはあまりに惜しかった。
「おっぱいで魅了して、精液を搾りだしてぼうやの力が弱った今なら、私達でも奴隷契約を結んで、ぼうやは一生私達の精奴隷にできるのよ…… みんなも、一生ぼうやの精が味わえるなんて素敵だと思わない?」周囲のサキュバス達からは賛成を意味する歓声が響いた。
奴隷契約を結んでしまえば、グレイは一生サキュバスに逆らうことができず、言いなりになる。
そうなれば今までのように食料に困ることはなく、性欲に飢えることもないのだ。
「決まりね さぁぼうや、私達の奴隷、に……っ!」意識を失いかけていたグレイに向き直り、奴隷契約を結ぼうとしたディアーネはその時、初めて驚きの表情を浮かべた。
「はぁ……! はぁ……! はぁ……!」息を荒げるグレイを中心に半径三メートル程度にサキュバス達は何故か近づけなかった。
洞窟に満たされたサキュバスの淫臭も今のグレイには効果がない。
「淫魔除けの札……!!何時の間に……!!」意識を失いかけ、完全に諦めようとしていたグレイはサキュバス達の一瞬の隙をつき、装備外しの罠によってたまたま近くに落ちたであろう淫魔除けの札を発見し、回収したのだ。
その結果、グレイにサキュバス達は近づけなくなり、魅了の効果も薄れたのだった。
「いくら、数が多くても、所詮は下級サキュバス……淫魔除けの札があれば、近づけないだろう……!」下級サキュバスの集団は、それぞれの力は弱いが、それが幾人、何十人にもなって効果を倍増させていく。
しかし淫魔除けの札は下級サキュバスの魅了効果をすべてシャットアウトして近付くことすら許さないのだ。
いくら人数が居ようとも、ひとつひとつの力が微弱ならばその効果は変わらず発揮される。
(いまのうち、逃げてしまえば……!!)淫魔除けの札によって魅了の力が軽減し、グレイは冷静さを取り戻しつつあった。
この状況で、サキュバス達を討伐しようなど愚かなことは考えない。
自分とサキュバスは相性が悪い、遺憾だがそれを認めざるをえない。
とにかく今はこの不利な状況を脱することが先決だ。
だが―「……くすっ」(っ! ……な、なんだ、足が震えて……)小さく響いた笑い声、それがグレイの耳に入った途端、逃げようとしていたグレイの足は動きを止めてしまった。
(な、なんでっ!?魅了の効果は札の力で軽減されてるはずなのに、なんで僕の足は動かないんだ!!)「ねぇ……ぼうや? 淫魔除けの札を手に入れて、私達から離れて……本当にそれでいいの?」グレイの前にディアーネは余裕を持った態度で立ちはだかる。
いくらディアーネの頭が切れ、狡猾で、ギリギリまでグレイを追い詰めた後だとしても、淫魔除けの札を持った今、グレイならばすぐに倒せてしまう、ただの下級の魔物なのだ。
「……だってまだぼうやは私達のおっぱいしか味わっていないのよ?もちろん、おっぱい大好きなぼうやはそれで満足なのかもしれないけど……他にも私達はぼうやの知らない気持ちいいことをたくさん知っているのよ……」ディアーネは淫靡な笑みを浮かべ、その美しく、淫らな肢体をくねらせる。
周囲を取り囲むサキュバス達も、それぞれが乳房や尻など、女性の、淫魔の魅力的な身体をグレイに魅せ付けていた。
しかしその行為に意味はないはずだ、今のグレイには淫魔除けの札によって魅了は通じないのだ。
「例えばこのお口…… さっきはキスしかしてあげなかったけど、今度は涎がいっぱいのこのおくちでぼうやのおちんちんをおしゃぶりしてあげるのはどう……? おしっこがでるところから、とっても敏感な裏筋やカリ首まで、舌でれろれろぉ って舐めながら、じゅるじゅるってえっちな音をたくさん響かせながらしゃぶってアゲル ……みんなはぼうやにどんな気持ちいいことをしてあげたいかしら?」あまりに淫らで、下品で、欲望に塗れた誘惑の言葉が耳に響く。
しかしそれにも効果はない。
何も恐れることはないはずだ。
「おちんちんを手でしこしこっ って扱くのとっても気持ちいいよさっきはディアーネ様に皮をむきむきしただけでお漏らししちゃったけどぉ、指で輪っかを造って、カリ首のところだけ激しくしこしこして、徹底的にいじめたり……手のひらに我慢汁を絡めて敏感な亀さんをくちゅくちゅっ ってかき回したり……泣いてもおもらしするまで止めてあげないわよ」構わず逃げしてしまえばいい「足でしてあげるのもいいんじゃない? ぼうやのおちんちんを足の裏で踏みつけて、ぐちゅぐちゅっ って擦りつけるの それとも指で挟んでしこしこがいいかしら? 下級サキュバスの足にギルドの剣士様がおちんちん踏みつけられて無様に射精するなんて、とっても屈辱的じゃない」サキュバスの言葉に耳を貸さず、目を瞑つむって「お尻なんてどう? おっぱいに負けないくらい、むちむちで、柔らかくて、気持ちいいわよ お尻でおちんちんを挟み込んで、えっちに腰ふりして扱いたり、お尻に顔を埋めて、むぎゅぅぅっ って押し潰したら、すぐに虜になっちゃうかも」出口まで走ればいいだけだ。
「やっぱりぼうやはおっぱいよ あれだけ大好きなんだもの おっぱいおくちでちゅーちゅーしながら、おっぱいオムツの中におもらしあかちゃんみたいにおっぱいに甘えて、ずーっとおもらしし続けるのねー ぼうやもそれがいいでちゅよね~」しかし、グレイはその場から一歩も動くことができなかった。
「それとも……大人になりたいぼうやは、ここがいい? 童貞のぼうやの知らない、女にしかない秘密の場所…… サキュバスのアソコは、おちんちんを受け入れ、搾り取るためだけにあるの…… 一度、味わってしまったら、それこそ、二度とサキュバス以外では満足できない身体になってしまうでしょうね」「あっ…… あっ…… あぁ……」魅了の効果は確かに薄れているはずなのに、グレイの目には美しく、淫らなサキュバスの肉体しか映っていない。
グレイの耳にはあまりにも魅力的で、淫猥なサキュバスの言葉しか聞こえない。
グレイの鼻は甘ったるく、男の興奮を誘うサキュバスの匂いしか感じ取れない。
「……ひとつひとつ、想像しちゃったんでしょう? 私達の言葉を聞くたびにおちんちんが涎を垂らしてびくんびくんっていやらしく震えているわ」ディアーネの言葉通りだった。
サキュバス達の姿が、言葉が、そしてすでに嫌というほど味わったサキュバス達から与えられる快楽が、グレイの精神をすでに蝕み犯していた。
魅了の効果が薄れたはずなのに、ペニスは痛いほど腫れあがっている。
「ねぇ、ぼうや。
その札を持っているかぎり、私達はぼうやに近づけないの……今話した気持ちいいこと、このままじゃなんにもできないのよ?」グレイの瞳に、自分が握りしめている淫魔避けの札が映る。
これがなければ、自分は想像を絶する快楽を味わうことができるのだ。
いや、違う。
これを無くしてしまえば、この場にいるサキュバス達が再び一斉に襲い掛かり、グレイは今度こそ、二度と自分を取り戻せなくなってしまうだろう。
「そんな札はいらないでしょう…… 私達の目の前で破り捨ててしまいなさい。
そうすれば、今言ったいろんな気持ちいいことも、それ以上のことも、いくらでもしてあげる…… ギルドの剣士なんて辞めて、一生私達の奴隷として、快楽だけを与えられる日々を送るのよ……」「……ぁっ……ぼ、くは……っ」喉がカラカラに乾いている。
まともに声も出せない。
この札があるから自分はこんなにも苦しい思いをしているのだ。
何故、そこまでして、彼女達に逆らう必要があるのか。
「……そう、いい子ね」グレイは淫魔除けの札をディアーネに差し出すかのように震える手を挙げた。
周囲を取り囲むサキュバス達はみな、一様にグレイの言葉を、行動を注視していた。
(やめろ、よせ、何をやろうとしている!)そんな声がグレイの身体に響いているのがわかる。
それは今までギルドの剣士として生きてきたグレイの心の叫びだろう。
しかし、その声はすでに今のグレイには無意味なものとなっていた。
(やめろ、それを失ったら、もう戻れなくなるっ!)淫魔除けの札を持つ両手に力が入っていく。
剪断力を加えられた札は、悲鳴を上げるかのように音を立て、その中心に徐々に切れ目が入っていった。
(や、めろ)グレイの手は止まらない。
魅了で操られているわけではない。
(やめろぉぉぉぉぉっ!!)ビリィ!!紛れもない、これはグレイ自身が、自らの意思で望んだ行為だった。
「あ、あ、あぁぁぁっ……」グレイは、自分が行ったあまりにも愚かで救いようのない行為に絶望し、涙を流しながら後悔し、怨嗟とも慟哭ともとれる、声にならない声を上げた。
しかし、そんな行為すらも周囲のサキュバス達にとっては、その淫らな欲望を増幅させる調味料としかならない。
「よくできたわね、ぼうや…… さぁみんな?」「「「「「「はぁーい」」」」」」ディアーネの声に合わせ、周囲のサキュバス達は瞬く間にグレイに密集して襲いかかる。
破けて効果の失った淫魔除けの札を踏みつけながら、サキュバス達はグレイを押し倒し、再びグレイを肉の海へと飲み込んでいく。
瞬く間に両手両足にサキュバスが抱き着き、乳房や尻、太ももで挟み込まれて拘束されたグレイは、抵抗する気力すらなく、なすがままになっていた。
「そんな悲しい顔をしないで? ぼうや。
今からぼうやは私達の奴隷になるのよ? 一生私達に精をささげるだけの生活……苦痛なんて一切ない、快楽だけに溢れた幸せな日々を送るの。
ねぇ嬉しいでしょう?」「ううっ……ひっく……あぁ……」グレイは四肢を拘束され、もはやどうすることもできない状況で、ただ年相応の少年のように涙を流していた。
ギルドの戦士としての矜持を無くし、自ら快楽を望んでしまった自分の愚かさが悔しくて、悲しくて、ただ泣くことかできなかったのだ。
「あぁ……可哀想なぼうや。
まだ、完全に欲望に素直になることができないのね」四つ這いの姿勢でグレイに跨ったディアーネは、指で涙を救い取りながら、泣き続けるグレイの頬を撫でる。
その手つきはあまりに優しく、グレイの泣き声はわずかに小さくなった。
「だけど安心して…… すぐに、その泣き顔を快楽で蕩けた可愛い顔に変えてあげる…… その泣き声を、甘えるような嬌声に変えてあげる…… これが最後の仕上げ、さぁ……私の膣内にいらっしゃい……」そそり立ったペニスの上に、自らの股間を合わせるように跨ったディアーネはゆっくりと腰を沈めていく。
くちゅり、とペニスの先端が湿った柔らかな何かに触れた。
「あっ、あぁぁっ……」ぬぷっ…… ずぷぷぷっ……わずかな抵抗感があった後、ペニスの先端がとても熱く、とろとろに蕩けた蜜壺に飲み込まれていった。
まさしく、それはグレイにとって未知の快楽。
ペニスが挿入された先端から溶けて行ってしまうようだった。
「んっ…… ぼうやのおちんちんが入ってきてる…… ぼうやのお顔も、悲しい顔から、快楽に溺れる可愛いお顔になってきたわね ……さぁ、それじゃあ、全部食べてあげる……」ずぷんっ どぴゅうっっ「~~~~~っっ」何が起こったかわからなかった。
本当にペニスが溶けてしまったと錯覚した。
しかし、同時にペニスの先端からどくどくと精液があふれ出ていることで、ペニスが溶けていないことを認識できた。
ただ、ペニスの感覚を認識してしまったことで、それがあまりにも強い快楽であることを知ってしまった。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁっっ」少し遅れて、グレイの口から恥も外聞もない、大きな嬌声が響いた。
ゆっくりと挿入していたディアーネが一度に腰を下ろし、ペニスがすべて飲み込まれてしまったことをようやく理解できた。
しかしその快楽は理解の範疇を超えている。
ペニスを包み込むディアーネの膣肉は、蠕動し収縮し、腰をまったく動かしていないのにグレイのペニスから精液を搾り取っていく。
「あんっ ……もう、でちゃったのね 童貞、卒業おめでとう、ぼうや ……ちゅっ」びくり、と身体を震わせ、興奮した様子のディアーネはグレイに顔を近づけ小さくキスをした。
そして、両手でグレイの頬を掴み、その瞳を合わせる。
「さぁ、ぼうや。
私の目をみて…… そう、いい子ね。
ぼうや、まず名前を教えてくれるかしら」「……グ、グレイ……です……っ」グレイの霞掛かった視界には、ディアーネの顔だけが映し出されている。
なんて美しく、可憐で、魅力的なのだろう。
いままで、なぜ彼女に逆らっていたのか、その理由すら忘れてしまうほど夢中になってしまう。
「そう、グレイというの……いい名前ね じゃあグレイ。
あなたの名前に誓いなさい。
あなたはこれから私達の奴隷となり、一生その精を捧げると。
代わりに私達は最高の快楽を与え続けてあげる……」ディアーネに搾り取られる快楽に顔を蕩かしながら、グレイはディアーネの言葉の意味を考える。
悪魔と一度契約を結んでしまえば、それを破ることは決してできない。
ここで、グレイが頷いてしまえば、もう二度とサキュバスから解放されることはないだろう。
だけど、それの何がいけないのだろう。
ディアーネの提案は、契約はあまりに魅力的で、幸福な結末じゃないか。
「……ち、誓います…… ぼくは……サキュバスの……」グレイの口から、敗北の、隷属の証であるその言葉が漏れ出していく。
「サキュバス『様』でしょ」「あぁぁぁぁっっ ご、ごめんなさいっ」咎めるようにディアーネの腰が動き、膣肉が締まり、グレイのペニスから再び精を搾り取られる。
「ぼ、ぼくは、サ、サキュバス様の奴隷になり、一生、精を捧げます……っ」快楽に言葉を詰まらせながらも、グレイは遂に契約の言葉を口にした。
その瞬間、周囲のサキュバス達から興奮と歓声の声が上がる。
(あぁ……っ いっちゃったっ もう、ぼくは、もどれないんだ……っ)「ふふっ、よく言えました…… これで契約完了ね……グレイ、これであなたは……私達の奴隷になったのよ」ディアーネのその言葉を聞いて、グレイの心がすっと軽くなる。
自分の欲望を隠し、堪えていたことが馬鹿らしくなるようだ。
いや実際に馬鹿だった。
自分を取り囲む妖艶で、可憐で、淫らなサキュバス達。
彼女達に快楽を与えられ、精を捧げる生活のなんと素晴らしいことなんだろう。
「……さぁこれが、グレイがギルドの剣士から、サキュバスの奴隷に堕ちた証よ」グレイの首に、奴隷の証である首輪が装着される。
契約によって嵌められたこの首輪がある限り、グレイは自らの意思を持つことはできず、すべて主人であるサキュバス達によって管理されるのだ。
「さて……グレイ? まだ終わりじゃないわよ? ご主人様である私達、一人一人に契約の言葉を口にして、その証である精を捧げてもらわないとね ……あなたのおちんちんを私の膣内から出すのはとっても名残惜しいけど、また後でいくらでも犯してあげるから……」「は、はいぃぃ……」じゅぷんっ と音を立ててディアーネの膣内からグレイのペニスが解放される。
同時に、ディアーネの膣内から吸収しきれなかった精液と、愛液の混ざりあった液体が零れ堕ちる。
それを掬い取り、舐めながらディアーネは周囲のサキュバスへ声をかける。
「あんっ もったいない…… ほらみんな? せっかくグレイのペニスを譲ってあげるんだから、しっかり気持ちよくさせてあげるのよ?」「はーい ……じゃあ私はお口で気持ちよくしてあげる」「私は手かなー」「私はぁ……」自分の性癖をむき出しにし、得意な性技を自慢げに口に出しながらサキュバス達はグレイへと群がっていく。
もうグレイに抵抗の意思はない。
むしろ一人一人のご主人様がどんな風に気持ちよくしてくれるのか、期待に胸を膨らませていたくらいだ。
「ほらグレイも、ここいるみんながあなたのご主人様になってくれるんだから、しっかりおねだりしなさい」「は、はい……サ、サキュバス、さま ぼくの、おちんちん、気持ちよくして、奴隷にしてくださいっ」ディアーネに促され、気付いた時には自然とグレイの口からご主人様達へのおねだりの言葉が漏れてしまっていた。
すでにグレイにギルドの剣士としての面影はない、そこにいるのは魔性の快楽に囚われた、哀れな一人の少年だった。
「きゃ~っ この子おねだりしちゃってる」「もうそこまで堕ちちゃったんだ~」その言葉にさらに興奮し、発情したサキュバス達を止められるものはもういない。
密集したサキュバスの淫らな肉の海の沈んだグレイは、全身を舌で舐められ、手や乳房で愛撫されながら各々のサキュバスにあらゆる手段を持って快楽を与えられる。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」あるものは手で、あるものは口で、あるものは足で、あるものは胸で……グレイのペニスから精液を搾り取り、奴隷契約を交わしていく。
そして契約を交わすたび、グレイの身体に変化が起きていた。
ハートをあしらったかのような呪印が下腹部に浮かびあがり、契約を交わすたびに濃く、そして広がっていったのだ。
「あっ すごーい これが淫紋なんだ 初めてみたぁ」(な、なにこれぇ お腹が熱くて、おちんちんまで、おかしくなるぅ)それは首輪と同じ、サキュバスの奴隷である証。
直接、身体に刻み込まれることにより、その肉体すべてがサキュバスの所有物であることを証明するものだった。
淫紋が刻み込まれた人間は、全身の感度があがるとともに、サキュバスの奴隷として精を捧げるために強い精力を与えられる。
もちろんここにいるサキュバス達は下級サキュバスであるが故にその効果はあまり強くないものだ。
しかし、この場にいるすべてのサキュバスが契約を結べば話は別だった。
「すごいすごいっ この子、あれだけ射精してるのに、どんどん精液の量も増えて、濃くなってるぅ どうなってるのぉ」「おちんちんもさっきよりさらに膨らんでるわぁ」何重にも淫紋を刻み込まれたグレイの身体は、すでにまともな人間のものではなくなっていた。
いくら絶頂を繰り返し、射精してもそのペニスは衰えることはない。
淫紋から与えられる精力によって、ペニスはさらなる快楽を求めて、膨れ上がり、射精を繰り返す。
「あぁぁっ もっとぉ もっと、おちんちん、きもちよくしてぇぇぇぇ」その代償としてグレイは射精するごとに思考能力を失い、ただ快楽と射精のみを求めるようになっていく。
すべてのサキュバスと契約を終えたころには、グレイは人間性を失い、ただサキュバスに精を捧げるだけの存在へとなり果てていた。
「「「「「あはっ、あははははははははっ」」」」」」快楽に溺れ、屈服し、自ら浅ましく欲望を叫ぶグレイをサキュバス達は、興奮したように、嘲るように、そして愛おしそうに笑い、そして精を搾り取っていく。
飢えたサキュバス達の欲望を満たしきるまで、その肉の宴は終わることがない。
その様子を一人、やや離れた場所でディアーネは満足そうに見つめていた。


―4―
「……んっ あっ あんっ」じゅぷっ ずぷっ にゅるん じゅるるる……絶え間なく響く嬌声、肌がぶつかる水が弾けるような音。
全身は誰のものかもわからない体液に塗れ、柔らかく、吸い付くような肉の感触と、粘液に塗れた舌の這いずる感覚は途切れることはない。
鼻腔から感じるのは嗅ぎ慣れた、彼女達の汗と体液が混ざり、濃縮された雌の匂い、それが余計に快楽を助長する。
「あっ ううっ まだ、でちゃうっ あぁぁぁっ」グレイは自分の口から漏れる、甘く甲高い女のような嬌声を、どこか他人事のように聞いていた。
何回果ててしまったのか、すでに数えることもできない。
そんな無駄なことを考える思考能力はもはやなかった。
「きゃっ んんっ じゅるっ じゅるるるっ ごくっ ごくっ」ペニスを咥え込まれ、熱く、溶けてしまいそうな口腔内に何度目かわからない射精をしてしまう。
猛烈な勢いで吸い付くサキュバスによって、ペニスの奥から精液が溢れ出て一滴残らず飲み干されていく。
「あぁやっぱり、グレイの精液美味しいっ れろぉ、じゅるっ」射精後のペニスを余すことなく舐め清め、サキュバスは恍惚の表情を浮かべた。
もちろんそれでこの肉の宴が終わるはずもない。
すぐに次のサキュバスが、唾液に塗れたペニスを自らの膣口に当てがい、一気に咥え込んでしまう。
「あっ ひぃっ だめぇ やめてぇ、おちんちん、こわれちゃうぅ」あまりの快楽にグレイの口から漏れたのは懇願の言葉だ。
ただし、それはグレイの本心ではない。
今のグレイはご主人様達から与えられる快楽を否定することはない、むしろそれを望んでいるのだ。
「やめて、なんてそんなウソついちゃだめよ なによ、このビンビンに硬くなったおちんちんはっ ほんとはもっと気持ちよくしてほしいんでしょう!」そう、あくまでご主人様の興奮を、嗜虐心を煽り、さらに気持ちよくしてもらうためのおねだりの言葉なのだ。
グレイの望み通り、興奮したサキュバスは膣を締め上げ、獣のように腰を振ってペニスを責め立てる。
「んんっ ごめんなさいっ ごめんなさいっ」グレイは快楽で背中をのけ反らせながら、熱いサキュバスの蜜壺へと精液を漏らしていく。
(気持ちいいっ 気持ちいいよぉ……)何もかも忘れ、彼女達の柔らかな体に埋もれ、彼女達から与えられる快楽に身を任せているだけでいい。
なんて幸福で、素晴らしい生活なんだろう。
滅茶苦茶に犯されて、涙と涎を垂らしながらも、グレイは甘い声を上げて、あまつさえ笑顔さえ浮かべていた。
「ただいま……あら…… またみんなでグレイをいじめてるの?」「あっ ディアーネ様……おかえりなさーい 虐めてなんかいませんよっ 食事のついでに、可愛がって、犯してあげてるだけですっ」久しぶりに巣に帰ったディアーネは、帰ってくるなり十数人のサキュバス達に取り囲まれ、犯されているグレイを見つける。
既に数えきれないほどに搾り取られたのだろう、サキュバス達はグレイと精液や、他のサキュバスの涎、愛液で汚れ、巣はそれぞれの体液が混ざり合った淫らな臭いで満たされていた。
「ふふっ……あまり変わらないじゃない。
でもグレイも嬉しそうだからいいのかしら? 犯されてこんなに悦ぶなんて本当に淫乱になっちゃったわね……初めて出会ったときとはまるで別人……」少年ながらに凛々しく、高潔なギルドの剣士であった姿はそこにはもうない。
身体を跳ねさせて快楽を享受し、だらしなく蕩けた表情、さらなる快楽を求めて甘い声でねだる声、その姿はあまりにも哀れで、滑稽で、そして愛おしいものだ。
「……それにしても、随分エッチな身体になっちゃったわねぇ……」グレイの身体を上から下まで舐めまわすように見つめ、ディアーネはうっとりと息を吐く。
可愛らしい顔はそのままだが、小さくも筋肉質だった身体は、堕落した毎日により徐々に本来の少年のものになりつつあるようだ。
今では力を振り絞ってもサキュバス達には勝てないだろう。
「ですね~ 乳首なんて毎日、休む間もなく舐られているせいでとっても敏感でぷっくり膨らんじゃって…… ん~ちゅ れろっ ちゅうぅ~」「んんっ あっ だめっ 乳首すっちゃ、いやぁっ あぁぁんっ」胸元に寄り添ったサキュバスが、グレイのピンク色の乳首を口に含み、唾液を絡めて舐め、吸い付いていく。
さらに反対側の乳首を指で摘まみ、爪でカリカリと甘くひっかきながら責め立てる。
「もう女の子より敏感な乳首になっちゃってますよ メスイキもすっかり上手になっちゃって…… ちゅっ」淫魔の唾液を毎日のように塗りたくられた乳首は異常なほど敏感になっており、瞬く間にグレイは背筋を反らし、射精を伴わない絶頂を迎えてしまう。
女のような声を上げて絶頂するグレイの姿に今度は別のサキュバス近付いてきた。
「あらっ それならグレイのアナルもすごいのよ ほら、ディアーネ様に見やすいようにちんぐり返しになりなさいっ」複数のサキュバスに脚と身体を押さえつけられ、グレイは恥辱的な恰好にさせられてしまう。
さらに一人のサキュバスが尻穴を公開するようにグレイの尻肉を押し広げた。
「見てくださいこのアナル…… 毎日、アナル好きのサキュバス達に指で弄られ、舌で舐められて、尻尾で犯されてたせいで、すっかりとろっとろの縦割れ雌穴になっちゃったんです すこーし指でくちゅくちゅっ って弄ってあげるだけで……」「あんっ っ やめ、てぇ おしり、おかしく、なるっ ああぁぁんっ」サキュバスの指が何の抵抗もなくグレイの尻穴にねじ込まれ、かき回すように動かされる。
乳首と同様に開発されきった尻穴を弄られ、グレイは絶頂し、痙攣しながら雌の快楽にだらしなく口を広げ、蕩け切った声を上げる。
「でもでも、アナルも乳首もですけどぉ やっぱりおちんちんですよぉ~ 見てください、可愛い包茎チンポだったのに、いまではこんなにバッキバッキのズル剥けチンポになっちゃったんですよぉ」グレイのペニスは、度重なるサキュバスの調教により、精液を吐き出すために肥大化してその身体に似合わない巨大なものになってしまっていた。
「その癖に、とっても敏感で、すこーしシコシコしてあげるだけでぇ……」「んっ あっ、だめぇ、しこしこっ、しちゃ、だめっ あっ、でるぅぅぅっ」どぴゅぅぅぅっ両手で数回扱かれただけで、グレイはいとも簡単に絶頂を迎え、尋常ではない量の精液を吐き出した。
シャワーのように噴き出た精液はディアーネを含む、周囲のサキュバスに降り注いでいく。
「んっ ……相変わらずいい味…… やっぱりグレイが一番ね…… でも、グレイは可愛いおちんちんのままでも好きよ、こんな風にね……」パチンッとディアーネが指を弾く、途端に巨大だったグレイのペニスは縮小していき、みるみるうちに元の包茎ペニスへと戻ってしまった。
「えーっ ディアーネ様すごーい」「そんなことができるようになったんですかぁ」「ふふっ グレイの精液のおかげでレベルアップできたのよ……」エナジードレインもレベルドレインの能力もとてつもなく弱い下級サキュバス達は劇的に強くなることはできない。
しかし毎日グレイの精液を吸い続けたことにより、この場にいるサキュバス達は以前に比べ力を増していた。
「私たちが強くなったのも、飢えを満たすことができるのも、あの日ぼうや……グレイが私たちの奴隷になってくれたおかげよ…… 本当に感謝しているわ、ちゅっ」「そ、そんなっ ぼくは、あっ あぁぁぁっ」グレイは言葉を続けることができず、ディアーネのキスによって再び絶頂してしまう。
この生活を与えてくれたサキュバスのご主人様達、そしてそのリーダーであるディアーネ様に感謝される筋合いはない。
むしろこちらが感謝し、そして最初に敵対したことを謝りたいくらいなのだ。
「ふふっ いいのよ……グレイ あなたは、何も言わなくて。
あなたは一生、私達の奴隷として犯され、愛されてくれればいいの…… いえ、もし私がもっと強くなったらあなたに不老の呪いをかけて、永遠にサキュバスの奴隷として飼ってあげるから……」言葉に出さなくてもこちらの言いたいことはすべてディアーネは理解しているようだった。
グレイは感激と幸福感で胸がいっぱいだった。
今なら分かる。
僕は、本当にこの美しいサキュバス達の奴隷になるために生まれてきたんだ。
心からそう思えた。
「そういえばディアーネ様? 少しの間、いらっしゃいませんでしたが一体どこに行っておられたのですか?」「あぁ、それはね? グレイが私達にくれたのは、美味しい精液だけじゃないのよ? そう、例えば、私達の力をどう使えばいいか……ってところかしら」「……? それはどういうことでしょうか?」「今にわかるわ…… 楽しみにしてなさい」(ここで、数か月前ギルドのホープ、剣士グレイが姿を消したって話だ。
もしグレイを倒したモンスターが居て、ここに潜んでいるなら……僕が倒せば大手柄だ! きっとギルドも僕の実力を認めてくれるはず……!)夢を追い、勇気と才能に溢れた少年剣士は、以前噂で聞いた情報を頼りにここを訪れた。
自分の実力を確かめるために、そしていつか名を馳せるために、ここに隠れ潜む魔物を討伐するのだ。
( し か し 、 魔 物 の 気 配 も ほ と ん ど な い … … 噂 は 本 当 な の だ ろ う か)洞窟の中は静寂に包まれている。
とても強大な魔物がいるとは思えないが……「あら…… ぼくぅ……こんなところで何をしているのかしら?」その時、少年の背後から突然、女の声が聞こえた。
はっと振り向いた少年はそこにたたずむ人影をいぶかしげに見つめる。
そしてその正体を看破した。
「ふん、なんだサキュバスか! 失せろ、僕はお前らみたいな雑魚には興味がないんだ」「……ふふっ なんだか懐かしい気分ねぇ……」……くすくすっ「っ! 何を言って……なっ、なんだっ……?」そこで少年は 初めて気づいた。
周囲から女の笑い声が聞こえる。
それも一人二人ではない、幾重にも重なった笑い声、そしてうっすらと見える人影の数。
余裕の態度を浮かべていた少年に汗が流れる。
この数は……(に、にげ……な、に、あまい、においが、して身体が、う、ごかな……)「ぼうやみたいな可愛い子が、こんなところにいるとぉ……美味しく食べられちゃうわよ 『私達』にね……」「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁっ!!」少年が最後に見たのは、四方を埋め尽くし、飛びかかってくる淫魔の
Li
liyang1993011778
Re: サキュバスの巣
谁能译一下看不懂日文呀!
Re
rexlinboy
Re: サキュバスの巣
这个,你发的好像不完全吧?